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2021年7月27日火曜日

さらば 1800円

 

60歳になったら、即 やりたいことがあった。『映画館で映画を観る』こと。

会員になってないシネコン系列の映画館や、ナンとかデーの割引がないかぎり

大人入館料 1800円とか1900円とか。 もう勘弁してほしかった。


今日からは 違うぞ。

TOHO系シネコン(会員になってない) 堂々と1200円だ。

( 客さま。年齢確認証を‥ と誰か言ってくれよ! )


『竜とそばかすの姫』細田守監督 素晴らしい作品だった。号泣。

たしかに映画館で観るべき作品であった。(でも 入場料は安い方がいい。)


アニメーションの邦画作品は秀作がつづきます。もはや夏休みの風物詩。

細田監督は、特に若い女の子の繊細な心情をくみとるのが上手いようだ。

映像、音楽、バーチャル・ミュージカル。おすすめ。

2020年8月13日木曜日

香港のこと

 


香港国家安全維持法で逮捕された、若い女性民主化運動家 周庭さん。

拘留中の彼女の心の支えが欅坂46の『不協和音』という楽曲だったと。


アイドルに疎い私は 『欅坂46』 というグループをよく知らない。

以前、MVでのナチ風コスチュームのパフォーマンスが批判を浴びたり、

平手友梨奈さんという、オーラのあるセンターが辞めることになったり、

今度グループ名が変わることになったりと、知っているのはそれくらい。

(‥充分 知っているのかな?)


『不協和音』という楽曲は はじめて聞きました。

同調圧力に屈するな。自分を貫け。的なことを ド直球に歌っている。

アイドルでも やってくれている。これは知らなかった。

政治的にもの言えぬなら、民主化運動への応援はエンターテイメントだ。


お盆休みのAmazonプライム

香港を舞台の映画ということで 『コンフィデンスマンJP ロマンス編』

よくできてるけど、TV的であまりに能天気なコメディー。

コロナ感染拡大や民主化運動激化の前だったとはいえ、ひいてしまった。


いつか こんなふうに

楽しく美味いものたらふく食べられる 香港 に行ってみたい。

そんな日が来て欲しい。




2020年6月17日水曜日

ゴールド・フィンガー


昨日 BSのある局で 『007/ゴールド・フィンガー』の再放送が。
ショーン・コネリーが初代ジェームス・ボンドを演っていた60年代の作品だ。
実家の居間で観ていると、父がはいってきて 先読みの解説をされてしまった。
さすが高度成長期を実践した昭和世代。何度も々 見かえしていたのでしょう。

思えば 通しで完全に観てみたのは はじめて。
ルネッサ~ンス!のギャグの芸人さん風の悪役が シルクハットを武器にして
暴れていたところくらいしか よく知りませんでした。考えてみると。
ところが、通してみると凄いことに気がつきます。
独房のシーン、馬屋のラブシーン、最後の飛行機内のアクション‥。
その後の映画作品で、踏襲されている(パクられてる)演出がなんと多いこと!
この007のシリーズは、大きな影響力だったのですね。

裏番組では インディー・ジョーンズ。
ショーン・コネリーは すでにハリソン・フォードの父親役でありました。

2020年5月18日月曜日

ゾンビ映画=B級映画 なのか?

友人に 面白かったから観ろ!(4.1だったぞ。)というので
『キツツキと雨』(沖田修一監督)という映画を観ました。(3.9かな。)
ざっくり言うと
村の木こりさんが ゾンビ映画の製作に巻き込まれていく、というもの。

ゾンビ映画の製作現場 が 舞台 ということで言えば
『カメラを止めるな!』(カメ止め)
『桐島、部活やめるってよ』 と あるわけですが。
なんで みんな『ゾンビ』なんだ?

‥『ゾンビ』作ってるところは 絵になるのか?
‥映画のB級感出すのには『ゾンビ』がいいのか?
‥意外と『ゾンビ』映画 って 作りやすいのか?
どーでもいいことが 気になってくる。
ちなみに私は エグいシーンのある映画は苦手です。


2020年4月12日日曜日

#うちで過ごそう。 私は映画

はじめて映画館で観た“洋画”は 『狼たちの午後』だったと覚えてます。
私は中学生くらいだっと思います。
まだ若かったアル・パシーノの主演。実際に起きた銀行強盗の物語です。
銀行に立てこもった銀行強盗(アル・パシーノたち)と人質達との間に
共感が生まれてしまうという ストックホルム症候群 が題材でした。

それ以来
洋画も邦画も、シリアスもコメディーも問わず
映画の〝華〟というと〝銀行強盗〟と、連想してしまう私です。
なにせ人生で絶対経験できないことですからね。(そりゃ、もちろん)

数ある 銀行強盗の名シーン。 やはり印象に残るのは2本
ひとつは
クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』
ヒース・レジャーの狂気の演技がすごい
本来クライマックスで使われる 銀行強盗シーンを冒頭に持ってきて
主人公のキャラを説明してしまう。(ダーティ・ハリーでもあったな。)



もうひうとつは、
マイケル・マン監督の『Heat』の銃撃シーンでしょう。
かつて『狼たち~』では犯人役のアル・パシーノがバタ臭い刑事役。
追われるギャングは ロバート・デ・ニーロ
立場は逆な二人が、最後に通じあうという男のドラマ。
スタイリッシュな映像美が素晴しい。舞台の建築のいくつかもカコイイ。
Leon』でデビューしたてのナタリー・ポートマンやアンジェリナ
ジェリイのお父さんなど、共演もなかなか豪華。




大林宣彦監督が亡くなられました。
『さびしんぼう』 や 『異人たちとの夏』 もよかったですが
私は『野ゆき山ゆき海べゆき』という作品が最も印象にあります。
強烈な反戦映画でした。
素晴らしい作品 ありがとうございました。

2020年1月30日木曜日

ネットいじめ、やめるってよ


不倫の東出昌大さんに関するネットの記事、いまだに酷い。もはやイジメだ。
彼はイケメンで人気者。奥方や子供にも恵まれた高級階級、見上げる存在だ。
そんな彼が “堕ちてゆく” のを眺めるのが楽しい人達が多いのだろうか‥。
格差社会の中、羨ましさ の 裏返しかな。

先日、気の知れた高校時代の同級生4人 新橋で呑みました。
4人とも在校中の部活は文化部。私以外のうち、ふたりは映画研究会所属。
そう、まさにリアル『桐島、部活やめるってよ』40年後の同窓会状態です。
当時は、勉強やスポーツが出来たか、オシが効いたか 女にモテたか‥
そんな(いまにして思えば、どーでもいい)格差にコンプレックスを覚えて
小さくなっていたこと、酔った勢いで思い出してました。

『桐島~』は、社会の格差をそのまま高校生の日常に置換えた風刺の作品。
東出さん(たしか彼のデヴュー作かな)演じるキクチ は
勉強もスポーツも万能で、女にモテまくる、見上げる存在です。(真に本人)
そんな彼が、じつは満たされていないことに自ら気付き 涙します。

経済的、物理的な格差は厳然として存在はしても、心に格差は ありません。
一般人と同じように 接してあげましょうよ。



2020年1月27日月曜日

『サボア邸』地下室への引力


先日コメントした映画作品から ふと思い出したことがありました。
『パラサイト 半地下の家族』 ポン・ジュノ 監督(韓国)
ここでは、高台から 半地下室 地下室へと 
社会的地位の格差が、そのまま住居の階層とリンクして表現されています。

近代を代表する建築家ル・コルビジェの住宅作品 『サボア邸』
パリ郊外に保存されたこの住宅を訪れたのは もう30年以上前になります。
見学して、はじめて知りました。なんと 地下室 が あるではないですか。
地下室へ向かう階段にはロープが張られ、立入禁止状態。第二次世界大戦で
独軍に収容されたことに関係している と聞きましたが、詳細は知りません。

有名なこの住宅の平面プランは誰も知るところでしょうが、地下階の平面図
は みたことがありません。一体どうなっているのか‥ 妄想がふくらみます。

地上部分の間取りが地面を基準に、そのまま面対象に広がっていたとしたら
どうだろう。光の部分の住宅空間 と 闇の部分の住宅空間 が対象にある。
『パラサイト~』と同様、これは ちょっとブラックな妄想ですね。


2020年1月18日土曜日

パラサイト・家族のあり様


『パラサイト 半地下の家族』 ポン・ジュノ 監督(韓国)
半地下の不潔な住居に住む 下層階級の家族・キム・ギテク一家。 とある切掛で
高台にある高級住宅に住む 上流階級の家族・パク・ドンイク一家 にはいり込み
パラサイト(寄生)していくという、シュールなブラック・ジョークのストーリー。

FMのパーソナリティー や 新聞のコラム が 大絶賛。
カンヌ映画祭『パルムドール』受賞。アカデミー賞有力。こりゃあ 観るしかない。
たしかに完成度の高い佳作。入場料の価値には充分。
ただ、個人的にはモヤモヤ感が どしても拭えない。 なんだ? 

おそらく日本人の多くは 家族の話で『パラサイト』 と聞くと 『ひきこもり』
と連想するのでしょう。昨今では当事者が高齢化し、深刻化している社会問題です。
終身雇用、年功序列という制度に裏打ちされ、直戦的な価値観で生きてきた親世代。
バブル崩壊、就職氷河期を経てもがく子供世代、そんな世代間ギャップが社会背景
にあることは、日本人は、みな薄々認識しているところ。
ときとして、家族という「密室」の中で凄惨な事件にもつながってきました。

それが この作品では
主人公のキム・ギテクご一家。そればかりか、セレブなパク・ドンイクご一家とも
典型的な親子4人家族で、じつに仲がいい。もちろん家族同志では格差という矛盾
はあったにせよ、家族内での世代間ギャップなど皆無です。
一回ひねりで、むしろ健康的な家族の物語にも見えてまう。
韓国社会ではなく、日本の社会問題の深淵を考えさせられた 矛盾 がありました。

You Tube には メイキングの映像などもありました。
いま 韓国と日本との関係は 政治の面ではギスギスしています。
たとえ、映画のプロモーションであったにせよ
出演者が「ニホンの皆さん、観てね~」的に 屈託のない表情を見せているとこは
ほっとします。 少なくとも 文化の面では 仲の良いお隣さんでありたいですね。




2020年1月4日土曜日

もしも『フーテンの寅さん』がいなかったら‥


むかし お盆やお正月に 『映画』を観に行く。
と言うことはイコール 『寅さん』を観に行く。と言うことでありました。

『男はつらいよ』 フーテンの寅さん
ふいに旅に出ても、帰ってくる場所と気を揉んで待っていてくれる家族がいる。
旅先で出会ったマドンナが、柴又まで訪ねてくるも、あえなく失恋して撃沈。
それでも男として最高の人生じゃないですか。その時代も『フーテン』という、
いはば「鼻つまみもの」でも世間に受け入れていた度量があったのでしょう。


シリーズ最後の『男はつらいよ』の舞台は、たしか阪神淡路大震災後の大阪。
振り返れば25年も前のこと。
それも、この頃はすでに体調が厳しかったのでしょう、渥美清さんの出番も
極端に少なく、すでに『寅さん』のお話とは言えなくなっていました。

車寅次郎 という生き方を知らない世代に、まずは『寅さん』を知ってもらおう。
演出にそんな苦労が伝わってきます。若い世代には、どんなふうに映るのだろう。
ただ、劇場内の殆どを占めるシルバー世代のお歴々には… 
あぁもう、そのメロンのエピソードは何度も見たよ‥ と満腹感と安心感の笑い。
私はその中間の世代(のつもり)です。

寅さんの新作は 山田洋次氏が私のアイディアをパクったものだ。
ネットのニュースで 横尾忠則さんが吠えているのを読みました。
お二人とも 尊敬されるべく クリエーター。
そもそも『寅さん』は山田洋次監督と渥美清さんの作り上げたキャラクター
行き違いはあったにせよ、まあそう 目くじらたてなさんな‥
そんな 笠智衆こと御前様 の諭す声が聞こえてきますぞよ。




2019年12月6日金曜日

『時効警察【展】はじめました』


六本木ヒルズ TOHOシネマで『イエスタデイ』鑑賞のあと
テレ朝内けやき坂ミュージアム にて 『時効警察【展】』へ。
平日に関わらず盛況。それも入場者は なぜか私以外みな女子!
(みなさんオダジョウのファンなのか、ちょっとハズカシ体験)

セットや小道具への拘りは尋常でないドラマとさっします。
その いくつかが 再現されている。
美術監督を務める久渡明日香さん の インタビュー記事が興味深い。
 経年変化を演出するエイジングの作業
 カメラにほとんど映らないところにも妥協しない
 フィクションとノンフィクションの境界 ギリギリのラインを目指す‥
大変そうだが、楽しそうだな。
これからも、拘りまくってください。

お約束の 『時効』スタンプ を押して会場をあとに。
今日の放映は たしか最終回。 ざんねん。



2019年12月3日火曜日

『イエスタデイ』


おくればせながら。
ビートルズ教信者の友人Fくんに 絶対観てね! ということで鑑賞。
大拍手!涙! ビートルズ愛がたっぷり詰まった 素晴らしい作品だ。

もしも この世で 誰もビートルズの楽曲を知らなかったら‥
考えてみると 
10代、20代の諸君は、ビートルズの楽曲にリアルタイムで接していない。
音楽の教科書に載ってる いはばモーツアルトのような存在なのだろうか?
昨年のヒット作『ボネミアン・ラプソディー』も
リアルタイムでクイーンの楽曲に接してない世代も、きっと熱狂したように
この映画も 観て興奮してもらいたいね。
エド・シーランが ギリギリわかる50代より。

展開や役回りが なんとなく
ヒュー・グラントとジュリア・ロバーツの『ノッティングヒルの恋人』に
似てるな‥と思ったら 同じ脚本家(リチャード・カーティス)なのね。

2019年10月21日月曜日

NO SIDE



ラグビーW杯2019
日本代表の快進撃には にわかファンの私でも TVの前で感動を覚えます。
昨晩の『南アフリカ』との準々決勝も 負けはしても素晴らしい一戦でした。

正直なこと 言いいますと。
私、南アフリカ代表 も応援しておりました。 40%くらいで、かな。
かつての友人に、ANC(アフリカ民族会議)の関係者がいたからです。
ANCは 反・アパルトヘイト(人種隔離政策、白人が黒人を虐げる制度です)
を掲げた ネルソン・マンデラ大統領の母体政党でした。
永い投獄生活から大統領に上り詰めたマンデラ氏が、異なる人種の融和のため
必要としたのが ラグビー。 そしてW杯の優勝でした。


『インビクタス/負けざる者たち』
クイント・イーストウッド監督作品では 三番目くらいに好きな作品かな。
マンデラ大統領役は モーガン・フリーマン。ぴったりですね。

ラグビーというスポーツでは
その国の代表選手になるのに、条件さえそろえば 国籍 は必要ないとのこと。
その 寛容さが とてもいいと思います。

2019年7月31日水曜日

『海獣』と『天気』の子供たち


多感な思春期の少年少女たちが、ひと夏の冒険を通して成長していく物語です。
思いっきり夏休み時期の公開を意識したアニメ2作品。 思いっきり秀作です。

『海獣の子供』
ストーリーは比喩的で少し難解
ただストーリーを追わなくても十分伝わります。謳いあげているのは生命の尊厳。
主人公の声は芦田愛菜ちゃんのようですが、オトナが子供のふりするのではなく、
同世代の少年少女が声を演じているところも リアリティがあってよい。
YouTubeの米津玄師の荘厳なMVに引かれ、何気なしに足を運んで よかった。
ただ 席はガラガラだ。 大丈夫か‥。

『天気の子』
話題の新海誠監督の新作ということで、劇場内は盛況。出来栄えも素晴らしい。
ただ出てくる商品、お店、どれも固有名詞で タイアップ が過ぎやしないかぁ。
TVCMもバンバン流れてたし、『海獣~』と対照的で複雑なビジネスモデルだな‥。
(‥ピュアなストーリーとは裏腹に、ドライな思考に陥ってしまった。)


どちらも淡い恋心をベースに 自然の摂理 という壮大なテーマに挑んでいる。
心を動かすのは、繊細な表現と創作者の拘り。そこは、建築を作ることと同じ。





京都のアニメーション作品を作るスタジオで 悲惨な出来事がありました。
私も『聲の形』という作品を観て感動したことがありました。
事件の報道や被害への支援の広がりから、アニメーションという日本の文化が
世界に誇れるものであることを 改めて感じます。
被害に遭われた方々、関係の方々には お見舞いを申し上げます。
亡くなられた方々にはご冥福を。 合唱。

2019年7月5日金曜日

『新聞記者』


映画の日。なにげなく見た『新聞記者』という作品に 激しく心動かされました。

新聞記者や新聞社の奮闘を描いた映画 といえば。
高校生の時に観た『大統領の陰謀』を思い浮かべます。もう40年も昔のこと。
ウォーターゲート事件の真相を暴いた、当時のワシントンポスト紙の若手記者を
ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマンの 2大スターが演じました。
多感な頃の自分も、ジャーナリストに憧れたことを思い出します。
ハリウッドでは昨年、その関連で『ペンタゴン・ペーパーズ』という作品もあり、
メリル・ストロープ、トム・ハンクス とこちらも大スターの共演でした。

邦画では
『クライマーズ・ハイ』(横山秀夫原作 原田眞人監督)という秀作もありますが
『大統領~』のように、あからさまな政権批判はこれまでなかったかなと思います。

ただ、この 『新聞記者』 は違う。
伝える側、告発する側の勇気と苦悩は、そのまま現事件を背景にしてるのは明らか。
メッセージが質の高いエンターティメントにのっているがゆえ、強く響きます。

『この国の民主主義はカタチだけでいい‥』
くしくも参院選挙が公示されたタイミングでの、このセリフが突き刺さります。
必見。



2019年2月3日日曜日

日日是好日


計画進行の集合住宅 SK2-Project
建替られる既存マンション敷地内にて地盤調査(ボーリング調査)が開始。
工程の関係で、マンション解体工事の前に行うことになるも、作業は順調。
想定通りの深度で支持層の確認。流動化対策のための検査もだ。

状況写真は、あまり美しいものではないなと思い
またまた 映画 のお話をば‥。


前々から気になっていた 「日日是好日」 をようやく鑑賞できた。
監督は大森立嗣氏。まほろ駅前シリーズのジャンキーな世界観とは真逆な
清楚で爽やかな作品。同じ人のメガホンかと思うと、何気に愉快である。

もう何十年かぶりに訪れた「テアトル蒲田」 ここで面白い体験ができた。

物語のほとんどが お茶室でのお茶のお稽古の場面。
お茶席に正座したときの目線を意識してか ローアングルで撮られている。
ローカルな雰囲気のテアトル蒲田の客席には、傾斜がほとんど付いてない。
沈み込んで客席に座ると、ちょうど目線がスクリーンの下端くらいになる。
すると自分も、まるで茶席にいるかのような臨場感。偶然でも痛快である。

移ろいゆく季節感とともに、淡々と日常を描いているのみ。
(以下、公式サイトからの引用お許しを)‥
季節のように生きる。
雨の日は雨を聞く。雪の日は雪を見て、夏には夏の暑さを、
冬は身の切れるような寒さを。五感を使って、全身で、その瞬間を味わう。

高気密・高断熱を目指す、現在の住まいのありようとは 正反対。
省エネ性能を追求することは、地球環境や健康の面から大切でありますが、
季節のうつろいを感じ、味わえるゆとりも必要ではないかと思えるのです。
木造の日本家屋だけではなく、鉄筋コンクリート造の集合住宅ででもね。



2019年1月18日金曜日

樹木葬


TVのワイドショーを観ていると
亡くなられた女優の市原悦子さんが、樹木葬で埋葬されるとのこと。
樹木の元に埋葬する樹木葬は、生前のご本人の希望なのだそうだ。

河瀬直美 監督の『あん』
昨年亡くなった樹木希林さんの親友役で市原さんが出演されてますが、
物語の終盤、樹木さんが亡くなり、桜の木の元に埋葬されるところを
思い出しました。おふたりの繋がりを感じます。合掌。

私個人の考えですが
人も亡き骸は土に帰るべきなのかなと、思うときがあります。
ただ、私はまだまだ先の予定。 生きることにはどん欲でありたい。



2019年1月3日木曜日

ボヘミアン ラプソディ


昨年、見のがしていた話題の映画数本。
このお正月休みの間に堪能しています。

フレディー・マーキュリーと QUEEN の音楽の映画『ボヘミアン ラプソディ』
同じように、バントの歴史やメンバーの葛藤や絆も描いている。ということで
クイント・イーストウッドの『ジャージー・ボーイズ』を連想してたのですが
正直言って、映画そのものの出来栄えとしては 遠く及ばず。
面白くなかった。と言われる方々がおられるのも よくわかりました。

ただ、そんなことは も どーでもいいです。 大興奮!
Seven Seas of RHYE、Killer Queen が流れた瞬間。私の涙腺は一気に崩壊。


QUEENの初来日公演のとき。私は武道館にいました。
中学2年生か3年生でしょうか。ライブ初体験でした。
ブレイク間もない彼らのヒット曲は 『キラー・クイーン』
『オペラ座の夜』というアルバムは まだ発表前じゃなかったかな。
当時は照明や映像の演出もなく、PAも音が割れてて いい音ではありません。
警備の体制もノウハウがなかったのか、アリーナの客が前に押し寄せてきて
フレディーがしきりに Sit Down! と叫んでいたのを覚えています。
(いまのライブやフェスじゃ 考えられない光景でしょう。)

イケメン担当のドラムのロジャー・テイラーは、私と誕生日が同じでした。
当時 文通していた他校の女学生との そんなやり取りを思い出しました。
思春期の甘酸っぱい思い出です。(ちなみに7月26日は、ミック・ジャガーも)

QUEENに夢中だった当時の私と、同じような世代の若者たち。
ストリーミング世代の彼らも あいみょんや米津玄師のように 彼らの音楽も
受け止めているのであれば、それはそれで嬉しい。

祝 大ヒット
合掌 フレディー・マーキュリー



2018年7月28日土曜日

家族の肖像・『未来のミライ』と『万引き家族』


『家族』をテーマにした 話題の2本の映画。
描かれた家族像が対極にあることに気がつき、面白いです。

「何があっても 遠くだけを見る‥」
福山雅治のカッコいい台詞と、細田守監督作品ということにひかれ
『未来のミライ』 昨日鑑賞してきました。
4歳の男の子・くんちゃんと そのおとうさんとおかあさん一家に
ミライちゃんという女の子が生まれたとこから 話ははじまります。

くんちゃんが時空を超え、過去や未来の家族と触れ合うという物語。
ここは予告編のお約束通り。
映像表現や音楽も素晴らしい。なのに、いまいち感情移入できない。
‥何故なんだろう。

おとうさんとおかあさんは、横浜の閑静な住宅地に住んでいます。
いわゆる中流より、ちょっと上の夫婦のように思えます。
子育てに奮闘するおとうさんは、おそらく監督ご自身の姿なのでしょう。
ただリアルなのはそこだけ。カネの話も男女の生々しいやりとりもなし。
まさに アニメならぬ絵に描いたよなホームドラマの世界感。
そして時空を超えて出てくる家族は みんな血の繋がりを持つ血縁者。
家族が、いはば『縦の関係』のみで描かれていることに気がつきます。


カンヌ映画祭でパルムドールを受賞した『万引き家族』
是枝裕和監督が描いた家族も、お父さん お母さん 兄 妹 の四人。
しかし 彼らには 血の繋がりはありません。 いはば『横の関係』
貧困や犯罪といった不条理な現実に喘ぎながら懸命に生きる、こちらの
家族のほうに 私はより強いメッセージを感じます。

家族の有り様は すでに多様化しているはずだ、ということでしょうか。

ところで
『未来のミライ』
くんちゃん・ミライちゃんのお父さんは建築家。 私と同業者です。

Mac Book でVectorWorksを操り、3Dのレンダリングまでしちゃう。
バウハウスやザハ・ハディッド、清家清の作品集が本棚に並んでいる。
設計した自邸は、実在するか、少なくとも実際に実施設計されている。
建築家の実務がリアルに描かれているようでいて、私はここにも違和感
を 覚えます。

クライアントとの打合せ、役所との折衝、現場でのやりとり‥。
実際の建築家の仕事の多くは、他者とのやり取り、いはば『横の関係』
の部分で成り立っています。
仕事を家庭でしているというのであれば、家庭以外の部分が描かれて
いないことも、逆に家族のリアル感を薄めているように思えるのです。

『万引き家族』では同居するアキ(松岡茉優)が風俗店で働いています。
この風俗店内の非・日常的な雰囲気が、日頃この一家が暮らしている
汚ったない家の中と対比しています。 ハレ と ケ の関係です。

家庭以外での存在をはっきり持っていてこそ
家庭の中で 家族 を意識できるのもなのではないのでしょうか。

いろいろ いっちゃいましたが
『未来のミライ』と『万引き家族』 
どちらも劇場で観るべき作品でしょう。 おすすめ。



2018年5月8日火曜日

リハビリ・北斎・黄金週間


3月の末。私の不注意から 左手人差指の先を骨折してしまいました。
激痛は数日で治ったものの、添木を当てグルグル巻きにされた包帯は、
なかなか外せず、運動不足もあいなってブルーな気分で過ごした先月。

このGWは もっぱら 心と体のリハビリテーションにとあてました。
読書 は1冊
『不死身の特攻兵』鴻上尚史
  9回の出撃から生還した特攻隊パイロットの実話。当時の歪んだ官僚
  主義が、現代の日本の社会の在りようにも重なるようだ。乞う映画化。

映画 は2本
『パシフィック・リム:アップライジング』
  前作のような深みはない(‥予想通り。)CG満載のアクション。
  最近のハリウッドのSF映画、中国人の主要人物がよく登場する。
  映画製作の世界も国際情勢下ということか。
『ペンタゴン・ペーパーズ』
  私が中学生の時に観た洋画『大統領の陰謀』へと繋がるストーリー。
  これも、たしかワシントン・ポスト誌の記者の活躍だったような‥。

あとは
旧友とビアガーデンで一献。晴れた日のBBQ。
指のあんばいが だいぶ良くなったなと思い、サイクリングの再開。

そして、以前から気になっていた美術館へ‥ 『すみだ北斎美術館
妹島和世氏による設計の、銀色に光る前衛的な造形。
ただゾーニングと動線を考慮した、考え抜かれた造形だ(と思う。)
渾身のディテールが詰まっていつつも、こじんまりした規模で納まるのは
なるほど 葛飾北斎個々の作品が小品であるからか。

『冨嶽三十六景神奈川沖浪裏』 迫力より緻密さと構図の妙に改めて感動。
企画展示は他『諸国瀧廻り』のシリーズなど 水の表現は圧巻。
常設展示はタッチパネルを駆使し、子供達にも親しみやすそうだ。

北斎の母方の血縁に、討ち入りで果てた吉良上野介の家臣がいたそうな。
GoogleMapを見るに、吉良邸跡地はすぐそこだ。帰りがけに寄ってみる。
母校やかつての事務所からほど近い 泉岳寺 には何度も足を運んできた。
ここはやはり、対戦相手にもリスペクトの念を持つべきであろう。合掌。


GWが明け。お医者さんの許可を得て、指先の包帯と添木をはずしてみる。
怪我とは関係なかった第一関節・第二関節が 硬く曲げずらくなっている。
なるほど、人間、体は絶えず動かしていないといけない、ということか。

このBLOGも、しばらくUPしないでいると、急に筆が重たくなるようです。
頭の中にも 何か鈍ってしまうものがあるのでしょうか。
これからは たえずアクティブにいるよう 心掛けたい。






2017年12月28日木曜日

スター・ウォーズ「最後のジェダイ」から 2018


スター・ウォーズ「最後のジェダイ」 が公開されました。 
私も、公開とほぼ同時に観ました。

当初ジョージ・ルーカスが構想した3部作シリーズの3部作目。
計9作品の中で
前作の「フォースの覚醒」が エピソード7
今回の「最後のジェダイ」が エピソード8  にあたるわけです。

ジョージ・ルーカスから権利を買ったディズニー社は、先日
これ以降も まだまだ作品を作り続けることを発表しました。
スピンオフも含め、毎年 お正月映画として公開していくことで
「男はつらいよ」寅さん化状態を目論んでいるのかもしれません。
お正月だから SWでも観に行こうか! という習慣化です。


スター・ウォーズ の最初の作品、最初のシリーズ。
エピソード4「新たなる希望」~ のシリーズ
(‥公開当初は エピソード4には副題はなかったかと。)
これが公開された時。わたしはまだ高校生でした。
ワクワクと胸躍らせて映画館に行ったことを覚えています。

1999年から
エピソード1「ファントム・メナス」~ のシリーズ が公開。
エピソード1~3の3作品はいずれも
幼かった甥っ子の手を引き 映画を見せてあげた思い出があります。

私も多少なりとも スター・ウォーズ と一緒に生きてきたわけです。
その作品の製作には沢山の方々の情熱とご苦労があったことでしょう。
それを重々承知の上、入場料払った分、あえて言わせていただきたい。

スター・ウォーズ「最後のジェダイ」‥ 全く面白くありませんでした。
いや、それどころか
今後のシリーズに 全く興味がなくなるくらいの ガッカリ でした。
なぜ、そんなに この「最後のジェダイ」に感動しなかったのか‥。
自問自答を繰り返し、ふたつの理由に たどり着きました。


理由-1:人の成長の物語になっていない。

エピソード4「新たなる希望」のシリーズでは ルーク・スカイウォーカー。
エピソード1「ファントム・メナス」のシリーズでは アナキン が。
少年・青年が これまで経験してこなかった新しい世界(社会)に飛び出し
師や仲間と出会い、葛藤や困難を乗り越えることで、成長していく‥
そんな古典的な青春ストーリーが ベースにありました。
私は、ルークに、アナキンに、自身を重ね合わせ熱くなっていたのでしょう。

レイやカイロ・レンには、残念ながら なぜか共感できるものがありません。


理由-2:新しい世界観を創出しようとしていない。

これまでの スター・ウォーズ のシリーズ
リアルタイムで経験してきたからこそ わかるのですが
「フォースの覚醒」エピソード7 と 「最後のジェダイ」エピソード8 
エピソード4「新たなる希望」のシリーズの 単なる焼き直し です。
ストーリーはコネくりまわしていますが、設定や世界観は 全く同じです。
私のようなリアルタイム世代が懐かしみつつ、子供を連れてこられるよう。
あるいは、ディズニーランドでのアトラクションにしやすいよう。
あえてそうしているのかな、と穿った見方をしてしまいます。

「ブレードランナー2049」 を 見てください。
旧作「ブレードランナー」をリスペクトしつつ別の世界観を作っています。
プレッシャーのかかるチャレンジだったと思いますが、見事な作品でした。
新作と同様に 旧作「ブレードランナー」も輝いて見えるようです。

スター・ウォーズのことを書きながら ふと思いました。
 人は成長していかなくては いけない。
 新しいことにチャレンジしていかなければ いけない。

遠回しに スター・ウォーズ が教えてくれたことかもしれません。
来たるべく 2018年 への思いとしましょうか。