2014年4月30日水曜日

縁側があった『昭和の日』


昨日夕方、FMの番組で『縁側』の話をしていました。
昨日は『昭和の日』
縁側は、たしかに昭和の時代から消えたものの ひとつ です。

住宅にある 縁側 とは、内部空間とも 外部空間ともいえない、
プライベートな空間ともパブリックな空間とも 区画がつかない、
生活空間の中では 曖昧な中間領域 といえる部分でしょう。

元来、日本人の空間や形体のあり方を規定する考え方に、ひとつ
真(しん)・行(ぎょう)・草(そう) という階層があります。
例えば、キチンと認める真書体。砕けた走り書きのような草書体。
その中間として 行書体 という書体が存在しています。

内部と外部、プライベートとパブリックの中間ともいえる縁側は、
いはば、行(ぎょう)の空間 ということが、いえるのでしょう。
行(ぎょう) とうは どちらともつかないありよう‥。
空間や時間、人間関係でも曖昧さを受け入れているかのようです。
この縁側が消えつつあることは、住宅の形態のみならず、日本人
の生活意識までも変わってきたようで、すこし寂しいところです。

さて、プライベートとパブリックの中間。といえば
わたしはよく、電車内 を 思い浮かべます。
車内では、小さく折り畳んだ新聞を読むのが精一杯。の時代から
昨今では、ゲーム、飲食やお化粧までしていて違和感ありません。
中間というよりは、プライベート空間のほうに軸足が傾きました。

スマホなどの 携帯端末 の影響が大きいのは想像できるところ。
これは ぎゃくに 昭和の時代 にはなかったもですね。

2014年4月28日月曜日

神楽坂のひととき ‥ふたたび


出身の大学が 神楽坂にあります。
入学は1部(昼間)でも 4年時は2部(夜間)の研究室。
先月の研究室のOB会から、今月は1部の友人達とのつどい。
その機に、しばしの神楽坂の路地裏散策。
学生のころは余裕かなく触れることがかなった、情緒空間。
スマートフォンのアルバムに残っていました。

ここのところ、中学・高校、そして大学時代と、学生時代
の友人達と会う機会が、つづいています。
未だに人付き合いのわるい私にも、声をかけてくれるとは、
それだけでも、ありがたいことだな。



3年毎の建築士定期講習 ‥つづき

建築士事務所に所属する建築士が3年毎に受講が課される 建築士定期講習会。
私は今年度中に受講義務があるところ、早々に済ましてしまうことにしました。

4月の中旬。受講会場はビューロー・ベリタス・ジャパンの川崎事務所です。
ここは建築確認申請の検査機関でもあり、事務所からも程近い、馴染みの場所。
これまで受講した2回の定期講習会は、いずれも受講生100人単位のマンモス
会場であった所、はたして今回のこの定期講習会。 受講生は、私を含め2人。
そして、講習は全て、モニターに映し出た講師の方の講義のビデオによるもの。

いささか、とまどいつつも、午前9:30から講習がスタート。
講習の内容は、建築に係る巷の昨今の動向に、いくつか方向性を確認できます。
ひとつ、わたしなりのレポートにしてみようと、思い立ちました。

防災系法改正のながれ。
1.エスカレーターの脱落防止対策
 建築基準法施工令の一部改正、及びこれに係る省令(平成26年4月1日施行)
 公共施設などに設置されたエスカレーターの脱落事故防止。
 具体的には、非固定端部のかかり代やワイヤーロープ等による脱落防止措置
 などが規定されています。

2.天井の脱落防止対策
 基準法施工令の一部改正、係る省令、技術基準告示(平成26年4月1日施行)
 特定の高さ・大きさで人が日常利用する場所にある吊り天井の脱落防止措置。
 NHKのクロ現など、一般のニュースでも取り上げられるほど、注目度の高さ
 がうかがえる法改正ですね。

3.給湯設備の転倒防止措置
 国交省告示(平成25年4月1日施行)
 いはゆるオール電化住宅などで、電気給湯器とリンクして設置されるような
 『貯湯タンク』の転倒防止措置。

4.備蓄倉庫、蓄電池等の設置に係る法改正
 各政令改正(平成24年9月20日施行)
 駐車場、駐輪場などと同様に、建物内に設置された備蓄倉庫、蓄電池設備
 自家発電設備、貯水槽などを一定の割合を上限に延べ面積への不算入。
 これらの設備設置を促すねらいですね。
 
ご想像いただけけるように、これらは。
平成23年3月11日 東日本大震災による被災をきっかけとする 法改正です。

厳格化からの ふれもどし。
 9年前の耐震偽装事件(アネハ事件)をきっかけとした建築確認申請等の
 厳格化が、あまりに現実作業に則していなかった部分の運用改善(第二弾)
 平成22年6月施行の運用改善(第一弾)につづくもの。

脱・スクラップ&ビルドの社会へ。
 既存不適格建築物の増改築の緩和
 現行の建築基準法等の法規に適合していなくても、従前は規定に適合して
 いた建築物の増改築の許可。客観的に、現実的で当然の措置とも思えます。
 長期優良住宅の認定・優遇の制度なども含め、社会全体の方向性でしょう。
 
さて これら以外の殆どの項目
(‥たとえば、省エネルギー、バリアフリー といった題目に関しては)
私が平成20年度、23年度に受講した2回の定期講習会のテキストの内容と
比べてみると、ほとんど 変わっていないようです。

とくに 建築士の職業倫理 に関する講義。
こういったことが、名義貸し、丸投げ で やってはいけませんよ。とか。
フトドキモノの建築士には こんなオトガメがありますよ。とか。
フトドキモノの建築士が こんなにいましたよ。とか。
‥もう、こういったお説教はうんざり。

午後4:00 に講習は終了。その後、1時間の考査(テスト)。

モニタのビデオ講師の方の講義が、まったくテキストの棒読みなのも含めて
終日ほぼ缶詰で、こういった講習を受ける必要があるのであろうか。
即日いただけた 修了証 を手に、ため息がでました。 仕事がんばろう。

2014年4月12日土曜日

熱い 熱い 氷の世界


井上陽水 氷の世界ツアー2014
2014.4.10 府中の森芸術劇場どりーむホール
チケットぴあから 機材席解放の知らせが届く。
来月のNHKホールの公演はやめ、この日のチケットを手に入れた。
大ファンである。早く観たかった。聞きたかった。

氷の世界 は40年前のアルバムで、アルバム(LPレコード)では
はじめて100万枚以上を売上げた、当時の超・ヒット作品である。
40年周年を記念したTV番組でも、曲順にまでこだわりぬいた当時
の製作現場を浮き彫りにしていた。
アルバムを通したストーリーがあり、アルバム全体がひとつの作品。
そんなコンセプトも初めてで画期的だった。擦切れるほど聞いたな。

世に斜に構えたような楽曲や、陽水さんのトークや人柄から思うに
観客は、理屈くさいうらぶれた中年男子(‥私のような?)ばかり
かと思いきや、客席の面々は老若男女千差万別。先入観はいけない。

機材席というくらいで、1階後方スタッフ音響機材のすぐ前。
ただ、ステージの真っ正面。これは嬉しい。

オープニングが、あまりにも意外な曲。John Lennon の Love
その後数曲。例の軽妙な陽水さんのおハナシから はじめて知った。
氷の世界 全曲を通しで演る というコンサートなのだと。
‥それは よいでは ないか。

あかずの踏切 からはじまり
帰れない二人 で涙腺が緩みだしてきた。
桜三月散歩道 ではもう耐えられなかった。
‥なつかしさ、というのは 説明がつかないものだ。

陽水さんの楽曲で 個人的お気に入り曲は(もちろん全曲だけど)
とくに 3曲
この桜三月散歩道 と 決められたリズム 長い坂の絵のフレーム
このうち 2曲を演ってくれたことになった。 うれしい。

心地よい夜風。
また、来よう。
余韻にひたる間もなく事務所へ、仕事が残っていたのであった‥。

<演目>
Love
感謝知らずの女
水瓶座の夜
__ここからアルバム・氷の世界__
あかずの踏切
はじまり
帰れない二人
チエちゃん
氷の世界
白い一日
自己嫌悪
心もよう
待ちぼうけ
桜三月散歩道
Fun
小春おばさん
おやすみ
__ここまでアルバム・氷の世界__
リバーサイド ホテル
ジェニー My Love
愛されてばかりいると
クレイジーラブ
長い坂の絵のフレーム
__アンコール__
傘がない
夢の中へ
少年時代
いっそ セレナーデ


2014年4月7日月曜日

3年毎の建築士定期講習


そいえば、今年度は建築士定期講習、受講しなくてはいけないな。
そう思っていたやさき、定期講習受講申込書の封書が届きました。
封書の中の申込書はすでに印字されていて、ご丁寧に振込用紙も
同封されています。送主は公益財団法人建築技術教育普及センター。
前回も含め、私がこれまでに2回受講してきた登録講習機関です。

建築士定期講習制度は、建築士事務所に所属する建築士が3年毎に
受講が義務づけらたもので、9年前の耐震偽装事件による建築士法
の改正(20年11月28日施行)により出来た制度です。
この事件により、これまで建築基準法や建築士法等の改正がされて
きましたが、不正の再発防止を目的とするには、的を得たものとは
とても言えません。多くの建築家がいだいている認識でしょう。

ただ、中には、これはよい制度かな。と思える事項もありました。
建築士法で定める、重要事項説明と、この建築士定期講習制度です。
重要事項説明とは
設計や設計監理の業務契約にさきだち、設計者(‥建築士事務所の
管理建築士など)が発注者(‥建主さん)に対して、業務の内容や
報酬などの重要事項を説明することが義務づけられたこと。
設計者(建築家)と発注者(建主)とが、仕事にきちんと向き合い、
お互いに、いい緊張感が生まれるように思えています。
建築士定期講習制度も
法改正や新技術など、旬な情報が得られる場でなるなら、建築士の
実務に役に立つことで、いいことだな。という期待がありました。
ただ残念ながら、これまで受講してきた講習会は、全く期待外れ。
既存の法令や建築界の現状をトレースした内容に、最後は法令違反
のさいの罰則説明(‥不正の抑止効果が目的なのかな。)
まるまる終日の缶詰講習には、ちょっとキツい内容です。

講習会、といえば。
今年は、木造軸組工法の耐火建築物設計の講習会を受けています。
建築基準法改正(耐震偽装事件より前の)により、木造建物でも
耐火建築物が計画可能になり、その主要構造部の大臣認定を持つ
日本木造住宅産業協会の講習会は、実務に直結した有意義なもの。
たとえば、こういったセミナーは、建築士の定期講習に置き換え
ることができても、いんじゃないでしょうかねえ。

今回の定期講習会は
建築技術教育普及センターでなく、他の登録機関の講習を試そう。
料金は横並びのようだ。
料金は横並びでも、内容まで横並び で ないといいけど。


2014年4月4日金曜日

桜・消費税・STAP細胞・新年度 


今週は、桜の開花や消費税増税だけじゃなかった。
理化学研究所、STAP細胞に関す論文の最終調査報告の会見が印象にある。
小保方氏の実験データに、改ざん・ねつ造があったという結論のようだ。
中間報告のさいの理研の会見のときから、何とも違和感があったのですが
 “当社の新製品に欠陥がありました。悪いのは、この担当者です。”
という発表を、会社がプレスの前で会見しているよなものだ。

この当事者意識のなさ、というのは学術界一般のことなのか、理研という
組織の特有なことなのか‥。いずれにしろ、あまりに浮世離れした感覚だ。
加えて、検証したのは論文の中身でSTAP細胞の存在の有無ではない。と、
本当にSTAP細胞が存在した場合のお手柄は、ちゃっかり担保していると
ころが、なにか ちょっと いやらしい。

その反面、再生医療や細胞の世界に興味を向けるきっかけになったのは、
(皮肉な見方ではあるけど。)この論文騒動の功績であったと思うのです。
先週末の、NHKの特集・山中教授の番組など、じつに興味深かったですね。

肝要なのは、STAP細胞が実際に存在するか否か。
論文は、解説とその作成マニュアルにすぎないんじゃないのか
(…というは、あまりに乱暴な物言いかな。)
小保方さんという人物の肩を持つ訳じゃないけれど、言い分通り、本当に
悪意がなかったのであれば、彼女の研究者としての道は、たとえどんなに
細い道でも、残しておいてあげたい。STAP細胞が、仮に失敗であっても。
寛容すぎますかね。(彼女が女性だからじゃないですよ。)

新年度にはいりまして。
このblog
建築や住宅のことも含め、もすこしマジメな意見も発信していかなくては、
と律しています。