2014年3月29日土曜日

近未来的物流施設

羽田空港にむかう環状8号線にめんした巨大な物流センターは
ヤマトグループの総合物流ターミナル『羽田クロノゲート』だ。
施設の工事中は近くの穴守稲荷神社からも、巨大なクレーンが
まさにヤマタのオロチのごとく伸びて、ものものしい雰囲気で
あったことは覚えていても、完成は建築誌で知ったのみでいた。

ランチのお店、焼きたてのパンが美味しいよ。
そんなウワサに、お昼時をねらって 探検してみることにした。

施設は、まさに貨物を扱うターミナル部分と地域に解放された
『和の里』にゾーニングされている(もちろんランチは後者。)
のだが、おちょこちょいなワタシは、車でターミナルのゲート
に進入してしまう。
‥それじゃ、一旦場内をぐる~と一週して場外に出てください。
それでも、ゲート誘導員のお兄さんは、じつに親切であった。
大きな貨物用トラックに挟まりハズカしい思いで進みながらも
運転席から見上げる巨大な施設は、無機的で人の佇まいがない。
ただ
自然環境と生態系を育むという『和の里』エリアは 対照的だ。
レストランや保育所、スポーツ施設まで設置されているそうだ。
地形に起伏を与え、円錐を逆さにしたようなモチーフの建物群。
この形状は、庇の役割にもなっていることに気がつく。
ディテールもシャープで近未来的、どこから見てもかっこいい。

予約制の見学コースがあるとは知らなかった。
いつか おりをみて再報告をいたしましょう。




西大泉の集合住宅 ウイーク・タイドなコミュニティー

西大泉の築集合住宅[ATRIA](設計監理 ワークショップ)
新築間もない先週末、オープンハウスにて見学させていただいた。
1000m2を超える敷地に 23戸の住居。
各住居は、ロフトも絡んだトリッキーなメゾネット形式で面白い。
とくに、玄関から直接、土間形式のキッチンというプランニング
は日本人の生活様式に馴染むのではないか。単に“流行の間取”だ
と、異端視することは、もうすでに当たらないでしょう。

敷地は第一種低層住居地域内。建物高さと建蔽率の規制もあって、
共用の中庭から各住戸へアクセスさせる計画です。この中庭空間は
動線の中心であるのと同時に、住人同士のコミュニティーを形成し
建物全体をひとつの集落のようにする狙いもあるのでしょう。

住人同士のコミュニティーは、集合住宅の生活では資産ともなる。
同潤会アパートの時代では、当たり前の空気感であったでしょう。
こんな住民同士の繋がりを感じさせる集合住宅。いいですね。

人の繋がり方を、『ストロング・タイド』と『ウイーク・タイド』
という 分類で整理 できます。
『ストロング・タイド』‥家族や血縁、地域社会などの強い繋がり。
それに対し、『ウイーク・タイド』とはファジーで曖昧な関係です。
現代では、SNS等で形成されるコミュニティーもこれに当たります。

住空間の計画でゆうならば
住人同士の生活空間の一部(キッチンやリビングなど)を共有する
いはゆるシェア・ハウスの計画は、どちらかといえば、ストロング
・タイドな繋がりをつくれる計画、といえるかもしれません。
対するウイーク・タイドな繋がりといえば、たとえば井戸端会議。
一見、不要なようにも思える共用空間でこそ、生まれそうな感じが
ありますね。かつての旧同潤会江戸川アパートにも、そこかしこに、
そんなしつらえがあったことを思いだしました。


2014年3月21日金曜日

春の日に 夏の客人?

春分の日。セミの抜け殻をみつけました。
今日の大風も春一番も、あの大雪の日も、
まさに風雪に耐えていたのか、と思いきや
春ゼミ という種がいるのだそうな。
ネット検索で知る、季節のうつりかわり。

2014年3月15日土曜日

ニャンとかなるか。


公園の主
よもや、捨てられたのでは あるまいな。
生きるすべは 身に付けているようだな。

2014年3月9日日曜日

神楽坂のひととき


昨晩は神楽坂にて、近くにある母大学の研究室OB会に出席する。
ちょっとした講演形式で、アルコールも絡んだ和やかな会である。
この夜は、当時お隣の研究室の教授H先生のレクチャー。
専門である、建築(主に住宅)内で起きる事故や安全に係る統計。
年単位の時間軸でみる事故内容ごとの統計は、なにげにその時代
背景をも写りこませる、カガミのようである。

じつは数年前、ある仕事でトラブルになりかけたおり、H先生の
研究室に押し掛け、アドヴァイスをいただいたことがありました。
私には、その時のお礼を 直接 伝える機会でもありましたが、
それ以上に、楽しき懐かしき ひとときでありました。

卒業して30年程。当時の先生方の年齢と肩を並べているはずでも
当時と、目の前の光景はかわらないように感じます。
ただ、神楽坂の街並は、ずいぶんと かわったかな。

2014年3月7日金曜日

アンディ・ウォーホル って ほんとはだれよ?

六本木・森美術館
彼の作品の多くは
消費社会における生産物としてのアートということか。
インターネット社会の情報消費の社会のありようまで、
予見していたかのように 思えてくる。

たとえば、有名な マリリン・モンローの連作。
それぞれ色づけは違えど、単に同じモチーフの反復だ。
生身の人物の肖像画じゃない。
彼女が生身の人物でなく、セックス・シンボルとして
エンタメ産業の中で消費されてるイコンであることを
( ある意味、おちょくって )表現している。

同じ制服、同じ振り付け。プライベートを管理されて 
アイドルというイコンとして、エンタメや情報産業で
消費されていく、AKB48 みたいなアイドル達。
キャラは違うのかもしれないけど、皆同じ顔に見える。
( ‥なんてゆうと 石が 飛んでくるかな。 )

ただ ヒルズの夜景は美しい。



2014年3月6日木曜日

ゼロ・クラビティ と ゼネコン


作品賞は逃すもアカデミー賞の7冠 『ゼロ・クラビティ』

孤独な宇宙空間という、およそ考えうる究極の状態からの脱出劇は
そもそも、生き抜くということに 意味付けなど必要ない。という
ストレートなメッセージ が伝わり、大きな感動をおぼえました。
もちろん、私の感想とは逆ですが
ストーリーの部分をすっとばしたパニック映画 とか
主に撮影の技術だけがクローズアップされたSF作品 とか
批判的な意見も目にします。ひとつの作品でも見方はいろいろです。

この『ゼロ・クラビティ』に関して 面白いコラムを目にしました。
ハリウッドの作品でありながら、英国の制作会社が担当したそうな。
S・ブロックもG・クルーニーも米国の宇宙飛行士であり、そもそも
現実の宇宙開発からも手を引いている 英国 である。
英国映画だけではなく、一定の制作費を英国で使った映画制作会社
にはかなりの税の控除が受けられるとのこと。国を挙げての、映画
製作の呼び込みは、産業のグローバル化のひとつの例。
同じ島国の我が国と、皮肉まじりに比較されています。

‥日本のゼネコンはさあ。海外で大きな仕事 沢山やってるじゃん。
 外国の建設業者は、どして日本のプロジェクトに参入できないの?
 おかしくない?
我が国の建設業界の閉鎖性を嘆く 同業者の友人S女史。

設計の分野では、公開コンペの洗礼のもと海外の設計事務所の仕事
は、昨今では国立競技場の建替え計画など、珍しくなくなった。
深刻な職人さん不足の影響で、お上が海外の建設労働者の受け入れ
を検討しはじめる旨の報道も目にしたことはある。
ただ、たしかに 外国のゼネコンが工事する という話は聞かない。

ここにもまだ。


2014年3月1日土曜日

リノベーション 付け加えない。削ぎ落とす。


築40年以上もする分譲マンションの リノベーションされた住居。
今日、企画プロデュースのプリスミックさんからのご案内で見学。
40m2前後の住居計5室。いはゆる公団仕様と言うのでしょうか
以前は、田の地型の2LDKの間取りであったことがうかがえます。

間や建具など、部屋ごとの物理的な仕切りは取りはらわれていて
垂れ壁や仕上材の変化による ファジーな領域設定で抑えている。
使い方は住人の勝手に委ねる、というとこでしょう。いいですね。

仕様(コスト)は抑えていても、カスタマイズできる自由という
付加価値が そこにある。

刺激になりました。