2021年9月4日土曜日

THE TOKYO TOILET_レポート3


THE TOKYO TOILET

とかく「暗い・汚い」と敬遠される公共トイレ。それを著名クリエーターの

作品で変えていこうというユニークな取り組みが、東京渋谷区で進行中です。

その公共トイレを、実際にその場に行って・使って・考えてみる。

全17ヶ所の作品のうち9ヶ所のレポートを前回・前々回で おえました。


前回前々回


今回は、仕事でよく通る山手通り周辺の2ヶ所。

はじめて、車でのアクセスになりました。



□七号通り公園トイレ  佐藤カズー

  男子WC 小便器:2

  だれでもWC 大便器:1



打合せの帰り道で、偶然発見して立ち寄ってみました。

空から降りてきた宇宙船のような、白い球体の建築。素直にかっこいい。

この球体型には、空気の流れを生ませるという意味もあるそうです。


このトイレは、音声だけでも操作可能な「ボイスコマンド式非接触トイレ」

というコンセプトということでトライしてみました。QRコードを読込んで

アプリをDL‥と、実はうまくいきませんでした。私もアナログ世代だなぁ。

直前に使われていたご婦人と同じく、私は手動で違和感なく使用しました。

ボイスコマンドは、慣れた人や障害者の方には重宝なのかもしれない。


公共トイレほどではないにしても、私が仕事とする賃貸集合住宅の貸部屋も、

ある意味「公共空間」と いえなくもありません。

建物やお部屋を気に入ってとはいえ、入居される方(使う人)は不特定の人。

そんな、賃貸集合住宅の専用部を設計する上で、心がけている点のひとつが

「壊れる」(あるいは「壊される」)ということを前提に考えておくこと。 

もちろん、それは使う人に悪意がなかったとしても起こりえることです。

その際の対処や修復が容易でなくてはなりません。


それゆえ、機械仕掛け・電気仕掛けに対して、私は慎重派です。

「代々木深町小公園トイレ」と「はるのおがわコミュニティパークトイレ」

(坂茂さんの設計)を見学したさいにも、感じました。





□代々木八幡公衆トイレ  伊東豊雄

  男子WC 小便器:2 大便器:1

  女子WC 大便器:2

  だれでもWC 大便器:1



山手通りを通るたび、いつかお参りせねばと思っていた「代々木八幡」さま。

その足元、まるで山のキノコが生えたかのような、じつに愛らしい建築です。

神社の杜に、自然と溶け込んでいます。

「東三丁目公衆トイレ」(田村奈穂さんデザイン)は、ビビッとな色使いで

周囲のランドマークにならんとしていましたが、真逆の発想のようです。


訪れたときは、清掃中でした。

ここは使う人が多いのか、メンテナンスにご苦労されているようでした。






公共トイレ・レポート、次回も乞うご期待です。