2020年1月4日土曜日

もしも『フーテンの寅さん』がいなかったら‥


むかし お盆やお正月に 『映画』を観に行く。
と言うことはイコール 『寅さん』を観に行く。と言うことでありました。

『男はつらいよ』 フーテンの寅さん
ふいに旅に出ても、帰ってくる場所と気を揉んで待っていてくれる家族がいる。
旅先で出会ったマドンナが、柴又まで訪ねてくるも、あえなく失恋して撃沈。
それでも男として最高の人生じゃないですか。その時代も『フーテン』という、
いはば「鼻つまみもの」でも世間に受け入れていた度量があったのでしょう。


シリーズ最後の『男はつらいよ』の舞台は、たしか阪神淡路大震災後の大阪。
振り返れば25年も前のこと。
それも、この頃はすでに体調が厳しかったのでしょう、渥美清さんの出番も
極端に少なく、すでに『寅さん』のお話とは言えなくなっていました。

車寅次郎 という生き方を知らない世代に、まずは『寅さん』を知ってもらおう。
演出にそんな苦労が伝わってきます。若い世代には、どんなふうに映るのだろう。
ただ、劇場内の殆どを占めるシルバー世代のお歴々には… 
あぁもう、そのメロンのエピソードは何度も見たよ‥ と満腹感と安心感の笑い。
私はその中間の世代(のつもり)です。

寅さんの新作は 山田洋次氏が私のアイディアをパクったものだ。
ネットのニュースで 横尾忠則さんが吠えているのを読みました。
お二人とも 尊敬されるべく クリエーター。
そもそも『寅さん』は山田洋次監督と渥美清さんの作り上げたキャラクター
行き違いはあったにせよ、まあそう 目くじらたてなさんな‥
そんな 笠智衆こと御前様 の諭す声が聞こえてきますぞよ。