2021年7月27日火曜日

さらば 1800円

 

60歳になったら、即 やりたいことがあった。『映画館で映画を観る』こと。

会員になってないシネコン系列の映画館や、ナンとかデーの割引がないかぎり

大人入館料 1800円とか1900円とか。 もう勘弁してほしかった。


今日からは 違うぞ。

TOHO系シネコン(会員になってない) 堂々と1200円だ。

( 客さま。年齢確認証を‥ と誰か言ってくれよ! )


『竜とそばかすの姫』細田守監督 素晴らしい作品だった。号泣。

たしかに映画館で観るべき作品であった。(でも 入場料は安い方がいい。)


アニメーションの邦画作品は秀作がつづきます。もはや夏休みの風物詩。

細田監督は、特に若い女の子の繊細な心情をくみとるのが上手いようだ。

映像、音楽、バーチャル・ミュージカル。おすすめ。

2021年7月25日日曜日

クマとネコ 隈研吾展


「隈研吾 展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」
東京国立近代美術館で開催中の 隈研吾展 訪れてきました。

東京五輪のメインスタジアムで注目の 隈研吾氏

国立競技場のような大規模な公共施設から、焼き鳥屋さんの内装工事まで

バラエティー豊かな作品群が、模型と図面、映像で明快に紹介されていて

素直に 楽しい会場でした。


隈研吾氏の作品

建築の根本的な解釈にまで踏み込んだ作品や、構造的解決の斬新さなど

おおすごいな~と 感じさせられる作品 と

単なる装飾じゃないの?(前記、鍋島松濤公園トイレ等)と感じる作品

極端だな。というのが、私の率直な感想です。


CGで登場しているネコたちよ。

君たちは、どう感じているの?




2021年7月17日土曜日

THE TOKYO TOILET_レポートの続き


THE TOKYO TOILET

とかく「暗い・汚い」と敬遠されがちな公共トイレを、著名クリエーターの

作品で変えていこうというユニークな取り組みが、東京渋谷区で進行中です。

この2月。全17ヶ所の作品のうち、その時点で完成した7ヶ所の作品に実際

足を運び、見学・使用したうえでの独自レポートしておりました。(前回へ


また2作品が新たに加わった、というところでレポートの追記です。




□鍋島松濤公園トイレ 隈研吾

  一般トイレ(男女兼用):1

  だれでもトイレ:1

  幼児用トイレ:1

  小便器ブース:2(うち1つは高齢者用)


渋谷の駅から文化村通りへ、猥雑な商業地区と閑静な住宅地を両脇に西に。

住宅地側にある鍋島松濤公園は、池と水車が印象的で緑豊かな公園でした。


建築は、外壁に無垢の木板をランダムに配しジャングルのような様相です。

周囲の木々の緑と呼応させようという意図でしょうが、その持出し金物は

ディテールが雑。ボルトも木の表面に丸見えです。

それでいて、手摺やハンドルといった直接手に触れるところは冷たい鉄製。

トイレブースの内部も、無垢の木が飾りつけはいるものの、窓のない狭い

倉庫内のような閉鎖感があります。これは、いただけないな。


たとえば、外壁に配された木板にしろ、内部に施された木片にしろ

これらが仮に無かったとしても、公共トイレとしての機能は成立している。

つまりこれは 『デザイン』 ではなく 『デコレーション』 なのです。


隈研吾さん。根津美術館など、胸のすく軽快な構造の作品もありますが、

この公共トイレでは、アプローチが違う。






○○○





□神宮前公衆トイレ NIGO®️

  男子WC 小便器:2 大便器:1

  女子WC 大便器:1

  だれでもWC 大便器:1


明治通り神宮一丁目の交差点の、アイキャッチとなる位置に計画されている。

ただ、無愛想な妻面を交差点に向けちゃっていることろなど、土地の形状や

街並みを活かそうとする意図はない。公共トイレという『機能のある箱』に

それとは別の、なにか非日常的なイメージを被せようとする発想です。

( 私は、こういった建築を密かに『ファンタジー建築』と呼んでいます。)

つまりこれも 『デザイン』 ではなく 『デコレーション』



日頃、効率性や機能性を突き詰めることを求められる仕事をしています。

ゆえに この2つの作品には違和感がありました。

ただ見ていると、この公共トイレ。比較的多くの方が利用されています。

何気に受け入れられているということでしょう。

これも、確かに建築のひとつの有り様でしょう。


作者の方へのリスペクトは変わりません。