2020年4月19日日曜日

満員電車に乗りたくない

学生の頃、通学の満員電車が大嫌いでした。

私は、私立で中高一貫の高校男子校に通っていました。
朝8時の授業に間に合う電車は、当然いつも満員で不快なもの。
そして、あたかも『人』を『モノ』として職場や学校に輸送する
ための、機械化されたシステムのように思えて寒々しかった。

学校につくと、教室では教壇に向かって机や椅子が整然とならび、
カリキュラムに従って、みんな同じ方を向き授業がはじまります。
もし社会に出ても、こんな日常が続くのだとしたらウンザリだな。
これは 恵まれた環境で我儘なのか、とジレンマもありました。


学校はいわゆる受験校でした。
ほぼ全員、卒業後は大学に進学します。

高校の2年生や3年生になると、模擬試験の成績優秀者の名前が
ピロティーに点数順に掲示されます。点数が高い者は、鼻も高い。
ただ、功名心で先生(大人)に操られているのはシャクに触った。
加えてこの日は、もひとつシャクに触ったことがあり、職員室へ。
‥先生。私の点数、達してますが。私の名前 忘れてませんか?
‥ああ、すまん!(イワマが そんないい成績とは思わなかった。) 

特定の価値感を強要されるのは まっぴらだ。と思っていながら
社会のシステムから溢れ落とされたような、孤立感を覚えました。
これもまた、恵まれた環境での我儘なのかな‥。


美術の先生に、温厚なA先生がおられました。
著名な日本画家の御子息でしたが、それをおくびにも出しません。
美術の授業中は、大学の受験科目に美術がない者は、受験科目の
自習をしててもよいことにしてくれました。
私は数学3の微分積分を解いていると、A先生が声を上げます。
‥さあ、自習しているみんな。少しだけ顔を上げてくれないか。
 美術の教科書にある この建築だけは、覚えてくれ!。

ル・コルビジェの ロンシャンの教会 でした。
帽子の形のような 奇妙な建物だな。これでも教会か。

学校の近くには、友人達と駄弁る秘密の喫茶店がありました。
よく酒を飲んでは、たわいない話をしてました。(も時効ね。)
明け方まで盛り上がって外の大通りに出てみると朝焼けの中、
交差点から 圧倒的な存在感で威圧してくる建物があります。

白井晟一の ノア・ビル でした。
‥建築 って すごいな。
いつしか 建築家 という職業を目指しはじめていました。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

自宅から近く 約10坪ほどのメゾネットがSOCIUSの事務所です。
かつて、常駐のスタッフがいたこともありましたが 今は私一人。
現場監理や役所関係がなければ人と全く接触しない日もあります。
そもそも
仕事数が減ったのでスタッフも必要なくなった。というのが経緯
ですが、一箇所に並ぶ机で作業するのが苦手な私には向いてます。

仕事仲間とは、クラウド上に立ち上げた共有ファイル内で情報も
作業も共有しますが、場合によっては mail だけでも充分です。
数億円単位のプロジェクトであっても、支障なくできています。

ことの他、90年代に起きた IT革命 は大きな出来ごとでした。

2020年
新型コロナウィルス感染予防のための 外出自粛要請
人との接触を7割は減らしましょう。

TVでは 医学の専門家の方がおっしゃっておりました。
『 いまだに 満員電車 があることが信じられません。』


※写真はイメージ。去年の あいトレ
 ソーシャル・デスタンス が とられていた。