エネルギー効率がよく 一年中 快適な空間。
工場の生産ラインで製造される 強固で均一な骨組み。‥
私は こういった
住宅メーカーさんのTVCMに、いささか違和感を覚えてます。
もちろん 省エネ性能や躯体の均一な強度を確保することは
大切なことです。それを実現している技術も、また すごい。
ただ
住いは 大量生産された工業製品でも家電でも ないはずです。
住いづくり は その土地をいかした一品生産であるべきです。
かりに。 ここで ちょっと大胆では ありますが、
住いづくりの主役を、建主 から 土地 に置き換えてみます。
たとえば 敷地が平坦でない傾斜した土地であったとしたら…
傾斜を活かしたスキップフロアとして、高低差を楽しむ とか。
日当りがわるくても 時期で桜や花火が見える土地だったら‥
大きな開口を設けて 借景として室内に取り込んでみる とか。
土地をいかす とは、わかりやすい例でいえば、こういうこと。
土地個々の特性によって その住いのあり方を きめてもいい。
かつては、気候風土の違いによって住いの工夫も違い、それが
地域ごとの個性を生んでいた時代も、あったことでしょうに。
技術が進歩することは すばらしいこと。
ただ、住いづくりのありかた、その原点は忘れないでいたいな。