2020年1月7日火曜日

環境資源と型枠材


昨年の大晦日、新聞の一面に心痛める記事が載っていました。
 『五輪整備 奪われた森』『型枠に熱帯材21万枚 禁止なく』‥

東京五輪で新設された施設は国産の木材がふんだんに使われている。その反面、
基礎工事の型枠はインドネシアやマレーシアの熱帯材が多く、使い捨てだった。
熱帯材の合板は強度も質もよく、繰り返し使えるようだ。じつに もったいない。
それでも、剥離材など塗装が必要な国産材よりコストが掛からないのでしょう。
こうした合板は9競技場の21万枚にのぼるそうです。

伐採された森は絶滅の危機にあるオランウータンの生息域とも重なるとのこと。
ふたたび植林されることなく、農園に変わるのだそうです。
紅白歌合戦 など 見る気がしなくなりました。


工事進行中の 集合住宅 h i k a r i u m
躯体工事が終わり、打放しコンクリートに使われた型枠材の搬出がつづきます。
このコンパネがどこから来たかは分かりませんが、貴重であることは確かです。

私は コンクリート打放し仕上げの場合
1階から最上階まで、可能な限り型枠パネルの転用ができるよう、基本設計の
段階から考えておきます。‥型枠パネル、各階で転用しますが いいですか?と
現場の担当者が聞いてきたことがありましたが、そんなことは当たり前のこと。
(もしかしたら、転用N.G.の建築家がいたのだろうか‥。私には考えられない)
現場で役目を終えた打放し用の型枠パネルは、搬出されると今度は他の現場で
基礎工事(見えない部分)の型枠として使い尽くされ、その役目を終えます。

貴重な環境資源
使わせていただくわけですから、出来るだけ無駄なく大切にしたい。