埼玉県立近代美術館にて。
戦後日本を代表する16人の建築家とその住宅作品を
作品写真や図面、映像、模型などで紹介する企画展。
住宅建築を すまい という観点で眺めますと‥
住人(家族)の成長や生活の変化の 見える変遷と表現されたり
清家清 私の家
増沢洵 コアのあるH氏の住まい ‥など
外界と切り離された 非日常なアミューズメント空間 としたり
原広司 原邸
石山修武 幻庵 ‥など
切り口は多彩で、面白い。
メタポリスム運動のハタデともいえた お二人の作品が対照的だ
黒川紀章 中銀カプセルタワービル
菊竹清訓 スカイハウス
メタポリスム、とは新陳代謝。変化に応じて、建築も変化・成長
していくことを目指したものだったと理解しますが。
中銀カプセルタワービルでは、結局 住居ユニットが交換される
ことはなかったんじゃないかな…。
スカイハウスは 家族の変化に応じて増改築のストーリーを提示
できている点、成功といえるのかもしれません。
戦後の住宅作品 といいいながら
気がつくと 最新作でも1978年作(宮脇檀 松川ボックス2期)
バブルも IT革命も未経験の、いはば古典の作品集ともいえます。
それでもインパクトが色あせないのは、建築家がつくる住宅作品
には、普遍的なメッセージがあるからでしょうか。
とくに
東 孝光 塔の家
安藤忠雄 住吉の長屋
今では誰もが知るこの住宅は、まだまだ私の目標です。
埼玉県立近代美術館のある 北浦和公園の一角に
中銀カプセルタワービル の住居ユニットが置かれています。
アートのようでもあり、惑星に降り立った宇宙船のようでもあり
かわいらしい。
蛇足ながら
黒川紀章氏設計の この埼玉県立近代美術館。
もすこし メンテナンスしてあげてほしいな。