2014年11月25日火曜日

建築の力

ギャラリー間

『エマージング・グリッド(生成するグリッド)』
なにかの生命体を思わせる、三次元状に広がるチューブの構造システム。
壁・天井・床といった概念を消し去って、まるで洞窟のような空間です。
この構造システムを思いつき、具現化しただけでもすごいところですが、
オペラ劇場(大小3ステージ)の複雑な機能を、絶妙に埋めこんでいる。
伏図で観ると、配置に全く無駄がない。見事、というより信じられない。

展示空間は、とかく 抽象的な表現でおわりそうなところ
コンペの当選案から実施案への変遷や、現場の作業の悪戦苦闘ぶりなど
リアル感が迫力があって、楽しい。

ドキュメント映像では
発注者である台中市の市長は、この建築を夢と例えています。
建築現場の所長は、なしとげた仕事を誇らしく語っています。
‥建築 ってすごい力があるんだなあ、と つくづく。

その建築力が、いま日本で、東京で期待されているのが、建替えられる
『新国立競技場』(ザハ・ハディド設計)と、いうことなのでしょうが、
その建替工事への反旗として、改修工事案を公表したのも伊東豊雄さん。
少し、あやも感じました。

当初のコンセプトを具現化できたという、幸福な建築 という側面も
このオペラハウスにはあるのかもしれません。

2014年11月19日水曜日

新語・流行語大賞

今年も新語・流行語大賞の候補が発表されました。
私の予想も、いくつか当たっていたようでした。
いそぎ、下記の言葉も候補に加えていただきたい。

『不器用ですから‥』
『往く道は精進にして 忍びて終わり悔いなし』

高倉健さん ありがとう。おつかれさま。

2014年11月17日月曜日

高さ制限へのパブ・コメ

東京都大田区がすすめる 絶対高さ制限を定める高度地区
第一次素案 に対するパブリックコメントを下記のように送付しました。

基準法に係る建築物に対する高さの制限はじつに複雑で、一般の方には
なかなか理解するのが難しく、それもひとつの問題だなと考えています。
一般の方にも、出来るだけ分かりやすい主張となるよう、つとめました。
________________________________

建築物の絶対高さ制限の導入には、基本的には賛成です。
ただ、ひとつ規制を加えれば環境が良くなるだろう、といった短絡的な
発想ではなく、既存の建築物の高さ規制と絡めて総合的に規制の計画が
なされるべきす。

すでに建築物の高さに係る規制には、建築基準法上に道路斜線制限等の
高さ制限や日影規制、採光面積などが存在しております。

その中でも特に、高度地区による斜線型高さ制限(高度斜線制限)は、
建築物の形体と街並を歪なものとする弊害でしかありません。
この高度斜線制限(第二種、第三種)を撤廃することで、空地率を
上げた建築物の計画を促すことにもなり、容積率を確保しつつ、さらに
厳しい絶対高さ制限も可能になるはずです

別紙に、ひとつの例としまして
第一種住居地域(建蔽率60%・建蔽率200%)での改訂案を示します。

大田区におきましては、総合的な判断と行動をお願いいたします。



2014年11月15日土曜日

計画は法規との鬩ぎあい

知人の建築家・小林真人さんの作品のオープンハウスに伺います。
大田区大森駅近くにある、竣工間近にひかえた集合住宅作品です。

最上階のオーナー邸を含む建物費用は、1階店舗と基準階住居の
賃貸部分の収益で償却し、相続対策にも、という、事業としては
比較的オーソドックスなストーリーのようです。

当方も、こういた集合住宅計画は得意なところ。
私ならこう計画するな‥と考察しながら見ていくためでしょうか、
限られていたであろうコストの範疇で、日影規制や高度斜線制限
といった法規制とのせめぎ合いに リスペクト をおぼえます。

敷地の形状や高低差の影響で、一見複雑にみえるプランニングも
ゾーニングは意外とシンプルで明快。参考にいたしましょう。

2014年11月14日金曜日

人として。建築家として。

昨晩は有楽町よみうりホールにて、建築家・内藤廣講演会 『3.11以降の建築』
(東西アスファルト事業協同組合・田島ルーフィング主催)

内藤先生の、東日本大震災の復興へ向けた活動を通し考えてこられた内容です。
建築家が、その作品に作家性を追い求める行為。
それが、文化や経済を動かす、ひとつのファクターであったことは認めつつも、
目の前に広がる被災地の復興の手助けとして、人として何をするのか、という
現実との乖離に、葛藤されていた、ということ。

私は、内藤先生のように復興への大きな手助けができるわけではありませんが、
建築家が、その作品に作家性を追い求める。という仕事への、違和感を感じる
ことは、(被災地ではない)日常の風景の中であっても、ときどきあります。

簡単に答えが出せるものではない、と言われつつも。
ひとつ、これかな。と 例に出された被災地福島県の建築『福島県教育会館
(設計は、当時前川事務所に在籍されていた大高正人氏。)
バルコニーから眼前の阿武隈川をのぞみ、背景の山並みにとけ込むシルエット。
構造や機能のシンプルな構成‥。絶賛されていました。(私も訪れてみたい。)

ただ、その内藤先生の感動とは
私が、内藤廣作品『安曇野ちひろ美術館』に感激した内容に通じることにも
気がつきます。葛藤のこたえの一部は、ご自身の内面にすでに存在していた
やに、思えてくるのです。


講演会をあとは、有楽町駅から新橋駅まで、JRのガード添いに歩いてみる。
ガード下の飲みや街も風景が変わった。バリケードされた空き空間が目立つ。
バブルの頃には隠れ家的なクラブもあったな。ハメを外したことを思い出す。
ただ今日は、ちょっとだけ吞んで帰るとしました。

2014年11月13日木曜日

ヒッチハイクの旅人

ヒッチハイクをしていた旅人をピックアップしてあげる。思えば人生初体験のこと。
関越道のPAの駐車場。『東京方面へ』と書かれたスケッチブックを掲げた若者だ。
映画のように、親指出したカーボーイハットの美女では(残念ながら)なかったが
純朴そうな青年の様子に免じて、愛車への同乗をゆるしてあげた。

‥どこまで、どうやっていくつもり?
‥福岡まで。ヒッチハイクでいきます。どこかのPAまでお願いできないでしょうか‥
‥ ・・・・はあ?

聞けば
なにかの出会い系SNSで知り合った女性のところへいって、同棲するのだとゆう。
なにごとも経験を重ねてきた者としては、ツッコミどころ満載の返事をしてきた。

‥それってホントに 彼女 なの?
私の質問の意図を理解したようで、彼は少しにやけて 大丈夫です。と、一言。

動機はどうあれ、行動力には リスペクト したところでもって
環八の用賀にある東名高速入口近くの マクドナルド まで送り届けてあげよう。
ここは東名高速でゴルフ場などに向かう待ち合わせスポットとして有名なところ。
車内で『名古屋方面へ』と書き込んだスケッチブックを掲げて、がんばってくれ。

2014年11月9日日曜日

国際紛争の悲劇と喜劇

今日の Googleのトップページのロゴ。
ブランデンブルク門を背に、かつて存在したベルリンの壁の上に集う人々の姿。
25年前1989年の今日は、東西冷戦の象徴・ベルリンの壁崩壊の日とのことです。

二次大戦の敗戦国ドイツは
アメリカを中心の西側自由主義側と、東側共産主義の当時ソ連側とで領土が分断。
東ドイツに存在したベルリンは、西側・東側との境界は物理的に壁で仕切られた。
壁を超えようと数々の悲劇が起きたことに対し、礼を欠く物言いではありますが
自由な往来が出来ないよう 壁 で仕切っちゃうとは、じつに滑稽な所業でした。

1988年壁崩壊の前年。
西ドイツのボンから、列車で西ベルリンに向かいます。
車内で簡易的なビザが発給されると、列車は東ドイツ国内に入るのですが、その
車窓から垣間見えた東ドイツの風景に、思わず興奮してしまいました。
グレーにくすむレトロな街並に戦前を思わすクラシックカー‥ 映画のセットか?
まさに、映画『バック・ツー・ザ・フューチャー』リアル体験版であります。

東西を仕切る壁の検問所のひとつ、チェック・ポイント・チャーリーの西側には
『壁美術館』なるものがありました。人々が、どんな手段でこの壁を越えようと
試みてきたのか、ジオラマやイラストで紹介されています。
あるものは鳥人間と化し、あるものは荷物のトランクに身を隠し、双子の姉妹は
入れ替り作戦をし‥と 命がけの決行であったものが(‥いささか不謹慎な文言
をお許しいただきたい。) ギャグ に見えていました。

‥その ギャグ ということで括りますれば
昨日、米国CIAが『アルゴ』作戦の真相を公表、という記事が目にとまりました。
1979年イラン革命の最中、首都テヘランの米国大使館から脱出した大使館員を
救出すべく、ウソのハリウッドSF映画『アルゴ』の撮影クルーを仕立てて入国し、
6人の大使館員を無事救出した、という ホントかよ~? という実話のこと。
まんま『アルゴ』として、映画はアカデミー作品賞を受賞しました。
‥私も楽しみました。主演で監督のベン・アフレックは、名優なのか大根なのか
 よくわかんないとこが、よかった。おすすめ。
CIAの曰くは、映画や製作者に敬意を表しつつ、いくつかデフォルメはあっても
ホントにあったことだよ‥。 と、いっていることのようです。


争いは 悲惨で愚かしい。
愚かしさだけを見ていられるのは、身近な場面では平和を実感しているからです。
そのことを、忘れないでいたい。
悲劇ではなく、世界中に笑顔が溢れますように。

2014年11月7日金曜日

建物の高さ制限は、やっはり変わるべき。

都内大田区がすすめている『建物高さに関するルールの変更』
先日、パブリックコメントの募集に先立つ『第一次素案の説明会』に参加してきました。
会場では、レクチャーを行う大田区まちづくり管理課の中に懐かしい顔を見つけました。
もう25年以上も昔の修業時代、大田区の建築審査課にて何度かやり取りをしたF氏です。
レクチャーが始まるまで、しばし昔話を楽しめました。
当時は私も若かったので(‥平均GLの取り方だったかな。)指導にくってかかりました。
いまでは、思い出のひとつです。

そんな昔のよしみとはウラハラに この『第一次素案の説明会』
ちょっとど~よ ‥と思えた事柄が2つありました。

ひとつは素案の内容。
新聞の折り込みで入っていた大田区報の内容には、高度斜線制限(北側からの斜線制限)
を絶対高さ制限を絡めて全て刷新するようなニュアンスで描かれていました。先月の記事
ところが、素案の資料を見ると、現行の高度斜線制限はそのままに、プラス絶対高さ制限
を導入する、ということのようです。

そもそも区報に、単純に『絶対高さ制限を導入しようと思います』となぜ書かなかったの
かも疑問ですが、絶対高さの指定値や算定方法も複雑で、何がナンだかよくわかりません。
そんなことより、高度斜線制限(あるいは高度地区の指定)を撤廃して、絶対高さの制限
だけにすればシンプルで、一般にも理解しやすいはず。歪な街並も解消にむかうでしょう。
そうであれば、素案にある絶対高さの指定値は、もっと厳しくてもよいでしょう。

もうひとつは 録音されていた、ということ。
レクチャーに先立ち、区側から録音する旨通告され、壇上にICレコーダーが置かれました。
企業がクレーマー対策に用いる手法。自由闊達な質疑を期待するべく場には馴染みません。
ただ、説明会がすすむにつれ、その意味も理解できてきます。

説明会の参加者が、本当にクレーマーと化して壇上のお役人さん達を詰問しだしたのです。
隣のマンション建設なんとかしてくれ…、道路にひびが入った…、この辺は海だった…? 
個人的なものから、よく分からないものまで、素案の内容とは直接関係のないことばかり。
そういった苦情は、区役所の窓口でおこなえるもの。この場では、マナー違反です。
お役人さん達にも ご苦労があることは 理解します。

パブリックコメント
私も提出するつもりです。
このblogでもオープンにする予定です。

2014年10月27日月曜日

ホーム・カミング・デー

昨日は 母校の東京理科大学・ホームカミングデー2014 ということで。
数年前に完成した葛飾・金町の新キャンパスへ、はじめて足をはこびます。
広いキャンパス、大きくかっこいい校舎、まあ びっくりです。

ちょうど30年前 私が卒業したのは神楽坂の校舎ででした。
その工学部建築学科も、この新葛飾キャンパスに移転となった、とのこと。
キャンパスは心地よくても、通学はきついな。卒業は昔でよかったのかも。

届いていた 懇親会の案内状 には 
卒業50・40・30・20・10周年の皆様 へ とあります。
30周年のテーブルに懐かしい顔があり、しばしのタイムスリップを楽しむ
ことができました。10年に一度の再会の場。ということでしょう。
10年に一度といえば、携わっている中学・高校のほうの同窓会実行委員も、
卒業年度の末尾の数字ごと、10年ごとの期の持ち回りです。奇遇なような‥。

催し物も 楽しめました。
杉田二郎・庄野真代のスペシャルライブ。『戦争を知らない子供たち』に
70年代じゃない、いまだからこそあるメッセージを感じます。
数学者・秋山仁先生の記念講演。理科大在校中の劣等生ぶりは、同じように
劣等生であった自分が救われたような気持ちになれました。

年を重ねることも、あながち悪くないね。

2014年10月24日金曜日

ザハ・ハディド

東京オペラシティ アートギャラリー にて開催の 『ザハ・ハディド展』へ
ザハは、新国立競技場の設計から、日本で一般に知られるようになりました。
斬新な近未来感覚の造形が特徴の建築家(‥というか、デザイナー)です。

“展示物が、ところどころ尖ってますので お気をつけください。”
というモギリの女性に、じゃあ養生しろよ。‥などと反論してはいけない。
そこが ザハ・ハディド の造形の真骨頂。

SF映画に描かれている未来の都市が、そのまま実現したような感覚です。
もう、近未来でも、フィクションでもない。
作品の造形のかっ飛び方は、たとえばかつての丹下健三氏の作品のように
コレコレこーゆ理由で こうなりました‥ といった論理性は見えない。
(あるのかもしれませんが。)そういったことは超越したパワーです。

展示スペースの最後は 建替え問題が話題となった 『新国立競技場』

予算の削減から大幅に修正された基本設計の案は、なんともオトナしい‥
削ぎ落とされた造形は、まさに、丹下氏の論理的整合性の造形であり、
コンペの当選案とは、別の計画案だ。ちょっと、さびしい。
リーゼントでツッパりかました学生が、就職先でスーツが似合う営業マン
になっているような感覚です。(…うまく例えられませんが。)

最後の 展示パネル に苦笑してしまった。
この新国立競技場 と 現在の国立競技場(改修した場合も含めて?)
の 収容人数や設備、国際基準などを 並べて、性能をアピールしている。
この建物に建替えることは正解だよ。という、やんわりとした主張である。
(この展示の主旨は、そうゆうことなのね。)

私は コンペで選ばれた当初の ザハ・ハディドの計画案は大好きです。
こんなの東京にできたら カッコいいな‥と素直に思いました。
景観の問題で反対されている方々には違和感があります。
(当選案が決まってから、反対することではないでしょう。)

ただ、予算を大幅に逸脱した計画案で当選を勝ち取った。ということには
異議があります。計画そのものも、大きく舵を切るチャンスでした。

ザハ・ハディドは、建築家ではなく デザイナーだと思っている所以です。


2014年10月22日水曜日

建物の高さ制限は変わるべき。

『建築物の高さに関するルールの変更を進めています。』
朝の新聞折り込まれていた 都内大田区の区報 です。

都市では、多くの建物の形状や街並が、斜線状に高さの制限を受け歪な姿です。
許容された床面積を、高度に活用することを要求される都市の建築計画に対し、
建物の高さの規制が、うまくリンクできていないことから発生する弊害です。
都心で住宅や集合住宅を計画する者として、この弊害とずっと戦ってきました。

この大田区のルールの変更が、都内他区にも影響していくことも考えられます。
ルールが よい方向に変更されるのであれば 歓迎 です。


都市部での、中小規模の建物の計画で おもに影響を受ける高さの斜線制限は
建築基準法における道路斜線制限(敷地前面の道路幅から算出されるもの)と
今回、大田区でルールの変更を進めているという、高度地区ごとに設定された、
敷地の真北方向から発生する高度斜線制限(建築基準法にも敷地真北方向から
の斜線制限もりますが、まず、この高度斜線制限が厳しいです。)があります。
‥他にも、基準法に規定された隣地境界からの斜線制限もあります。
 よく誤解されますが、基準法の日影規制は、建物高さの制限ではありません。
 一定の高さ以上の建物の場合。発生する日影のエリアを規制するものです。

道路斜線制限のほうは
私が卒業した頃では、単に敷地の前面道路の対面からの倍率(1.25 や 1.5)と
杓子定規な規制でしたが、計画建物の道路からの離隔距離が道路幅に考慮され
るようになり、ついで天空率という概念も導入され、規制緩和がすすみました。

高度斜線制限のほうも もっと現実的なものになるべきです。

郊外で、広い敷地が充分に確保できる住宅の計画なら、採光も十分に取れます。
都市は、広い敷地を確保することはままならず、充分な採光はなかなか難しい。
しかし都市はインフラも整備され、情報も集まりアミューズメントも沢山です。
都市には都市なりの、生活の豊かさがあるのです。
そこに、郊外の豊かさまで個々の住宅に求めようとする所に矛盾が生まれます。

機内で知り合った邦人の住まい。
NY・マンハッタンの中心にある、高層ビルの住宅を訪ねたことがありました。
いはゆるスチューディオ・タイプの部屋には、日中あまり光はさしません。
こんな住宅で住み心地はいいのかな‥、という疑問は休日になって解けました。
晴天のセントラル・パーク に 余暇を楽しむ人々が溢れているのです。
ここが、いはば 公共の庭 となった様相です。

東京でも、生活スタイルへの意識から、変えていく必要もありましょう。
そこは、空家問題の解決にも通じるところ。

区報の内容は、大田区としての第一次素案で、パブコメの前段階のようです。
具体的な規制の数値がはいっていません。
私は、絶対高さ制限のみの指定でいい。ドラスティックな変革を支持します。


2014年10月20日月曜日

六本木・うららか展示会めぐり

六本木『六本木アクシスビル』にて アクシス フォト マルシェ vol.1
各ギャラリーが、若手や新人写真家の作品など 掘り出し物を出展。
なるほど、まさに写真作品のマルシェ(市場)といった感じである。

友人の大阪の写真家・多田ユウコさんの さわやかな作品
楽しませていただいた。
写真とは、被写体を写すという行為を借りて、じつは撮影者自身の
感性や主張を映し出しているところが、面白い。


その足で 東京ミッドタウン『ガレリア・コートヤード』にたちよる。
この夏、ゴジラがいたところだ。展示会があることは知っていたが
そうか、この時期この場所だったのか‥。
SE構法(株式会社 エヌ・シー・エヌ)による新たな取り組みの展示。
パーツ化された規格寸法の木材で実現する7組の住宅のプロトタイプ案。
一般の人にもわかりやすい。住宅をつくる、ということの楽しさがある。
顔馴染みの担当者とご挨拶。


21_21近くの遊歩道『ミッドタウン・ガーデン』のせせらぎ では
八郷瓦(茨城県の旧八郷町につたわる瓦)と笠間焼 といった陶器の作品展
せせらぎの水の底に、デザイナー達によるそれぞれの作品群が涼しげだ。
“気に入った作品に投じてください。” とコインを渡された。
わたしは、笠間焼の湯たんぽのひとつに一票。
よく見ると、本物のコインも投じられてる。トレビの泉のようなご利益は?

うららかな 休日でした。


2014年10月14日火曜日

映画の一部となる建築

台風の影響もあって、先週末の連休は、BSでも映画を観ていました。

渡辺謙さん出演『明日の記憶』 はじめてラストシーンまで観て知ったのですが、
若年性アルツハイマー病の主人公(渡辺謙)が自ら訪れる療養施設という設定で
安曇野の『ちひろ美術館』(設計:内藤廣) が 使われていました。 

私も一度、訪れたことがあります。
背後の北アルプスの尾根と形状を同じくし、自然の風景と溶け込む静かな佇まい。
単に絵(いわさきちひろ)を鑑賞する美術館というより、ゆったり時間を過ごす
設えが施設の随所にあり、この映画の、この設定にピッタリだ。と感心しました。

映画の中で 印象に残る役回りの建築 というのは他にもいろいろあります。

伊丹十三監督の 『マルサの女2』では
大胆にも『ヤマトインターナショナル』(設計:原広司)が国税局の建物として
登場します。普段目にできない内部でロケもされていて、そこだけでも興味深い。

名匠リドリー・スコット監督 松田優作の遺作となった『ブラックレイン』では
かつて道頓堀の戎橋の袂に君臨していた『キリン・プラザ』(設計:高松伸)が
なにわのブレードランナーよろしく、近未来感満載に輝いていました。

こういった いはゆる名建築 と言われるものではないにしろ
建築空間は 作品としての映画表現の 重要なファクターになることが多いです。


先日 このコラムにupしました 『ふしぎな岬の物語』
(大変に申し訳ないのですが‥)ほんとーに つまらない作品でした。
舞台となる主人公(吉永小百合さん)の喫茶店は、せっかく風光明媚な岬の突端
にありながら、薄暗い室内に丸見えの厨房。海を眺めることもできないようです。
少なくとも、村の人々がコーヒー1杯目当てに集ってくるとはとても思えません。

たとえば、この喫茶店が
天井の高い、普段は燦々としたオープンテラスのお店
掃き出し窓を開けると、バルコニーの突端は海と一体‥
そんな お店だったらどうでしょうか‥?
物語のキーとなる虹の絵は、海に背を向けて掛けられていて、ある席に座ると
背後の風景と重なり合うのです。その席が、亡きご主人の特等席‥。

なあんて設定だったら どうでしょうかね‥?

この映画、ひとつ ご覧になってみてください。

2014年10月13日月曜日

ダーティー・ハリーとサユリスト

『ふしぎな岬の物語』
吉永小百合さん自らのプロデュースという期待は(大変に申し訳ない‥)肩すかし。
物語に深みもない、例えば、雄大な大自然やスタイリッシュなインテリアといった
オリジナルな見所もない。ひたすら、小百合さんの神々しい存在感に頼ってるだけ。
ただ きっと
出演者の方々は、役柄そのままの小百合さんの丁寧な依頼を快諾されたのでしょう。
皆さん楽しんで演技をされている現場が思い浮かび、不思議と入場料が損ではない、
まさに “ふしぎな” 映画でありました。

『ジャージー・ボーイズ』
50年代に活躍した男性ボーカル・グループ『フォー・シーズンス』を主人公にした
軽いタッチのプチ・ミュージカル風、男の友情物語。
背景とした楽曲が皆素晴らしい。それでいて、アナ雪のように押し付けてこない。
さあここで泣いて!といった過度の演出も(ラストシーン以外は)抑えられている
ところは、クイント・イーストウッドの映像らしさ全開。そこが胸を熱くします。

ピュアな母性に満ちた 静の映画
ヤンチャ系軽音男子の 動の映画

2人の往年(失礼かな)の銀幕スターのコントラストが面白い。




2014年10月12日日曜日

建築家紹介サイトにいくまえに。

『建築家』に、進行中のプロジェクトにマッチした『工務店』を紹介しましょう‥。
先週、事務所にこられた一生懸命な営業ウーマンの方には、申し訳ないとこですが
このようなビジネスモデルは もはや 成立しません。
“無料で紹介” とは、紹介する『工務店』からマージンを得ているということです。
そのマージンは、そのまま工事金額に上乗せになることは、誰にでも理解できます。

情報革命(IT革命)といわれて、もう久しいです。
『工務店』を探すのなら、ネットで検索できます。
そして、『工務店』を選ぶ基準は、金額だけではありません。
得意分野、実績や技術力、仕事に対する考え方や情熱など、実際に責任者や担当者
と直接会って話を聞いてみないことには、判断できない部分がほとんどです。

“建築家を紹介します” というビジネスモデルにも、全く同じことがいえます。
『建築家』を『建主』に。『工務店』を『建築家』に。置き換えればそのままです。

インタネットに限らず、展示会などで“無料で建築家を紹介”というのも同様です。
紹介される側(建築家や工務店)からのマージンが発生していることがあります。
もちろん、回り回って知らず知らずに、無料で紹介された建主の負担になるのです。

じつは、私もこういった紹介サイトや紹介ビジネスには、多数登録しております。
それは
『建主』の方に、無料で紹介してもらうためではありません。
『建主』の方に、直接 私(SOCIUS)を見つけてもらうためです。

住宅や集合住宅の計画をお考えの方々には ぜひ
気になった建築家をみつけて、紹介会社を介さず、直接会いにいってみましょう。

大きな病気になったとき、信頼できるお医者さんを探すことと似てると思います。
病気を克服するのには、信頼できるお医者さんと二人三脚で取り組むのと同じく、
建主と建築家との関係にも、信頼と共感が大切だと思っています。
敷居は高くありません。