2014年10月24日金曜日

ザハ・ハディド

東京オペラシティ アートギャラリー にて開催の 『ザハ・ハディド展』へ
ザハは、新国立競技場の設計から、日本で一般に知られるようになりました。
斬新な近未来感覚の造形が特徴の建築家(‥というか、デザイナー)です。

“展示物が、ところどころ尖ってますので お気をつけください。”
というモギリの女性に、じゃあ養生しろよ。‥などと反論してはいけない。
そこが ザハ・ハディド の造形の真骨頂。

SF映画に描かれている未来の都市が、そのまま実現したような感覚です。
もう、近未来でも、フィクションでもない。
作品の造形のかっ飛び方は、たとえばかつての丹下健三氏の作品のように
コレコレこーゆ理由で こうなりました‥ といった論理性は見えない。
(あるのかもしれませんが。)そういったことは超越したパワーです。

展示スペースの最後は 建替え問題が話題となった 『新国立競技場』

予算の削減から大幅に修正された基本設計の案は、なんともオトナしい‥
削ぎ落とされた造形は、まさに、丹下氏の論理的整合性の造形であり、
コンペの当選案とは、別の計画案だ。ちょっと、さびしい。
リーゼントでツッパりかました学生が、就職先でスーツが似合う営業マン
になっているような感覚です。(…うまく例えられませんが。)

最後の 展示パネル に苦笑してしまった。
この新国立競技場 と 現在の国立競技場(改修した場合も含めて?)
の 収容人数や設備、国際基準などを 並べて、性能をアピールしている。
この建物に建替えることは正解だよ。という、やんわりとした主張である。
(この展示の主旨は、そうゆうことなのね。)

私は コンペで選ばれた当初の ザハ・ハディドの計画案は大好きです。
こんなの東京にできたら カッコいいな‥と素直に思いました。
景観の問題で反対されている方々には違和感があります。
(当選案が決まってから、反対することではないでしょう。)

ただ、予算を大幅に逸脱した計画案で当選を勝ち取った。ということには
異議があります。計画そのものも、大きく舵を切るチャンスでした。

ザハ・ハディドは、建築家ではなく デザイナーだと思っている所以です。