IT革命 と いわれてひさしい。
建築や不動産、とりわけ集合住宅の賃貸のマーケットも変化しました。
お部屋を借りよう、という方は、だいたいこんな尺度で吟味しますね。
駅からのアクセス、お部屋の間取や広さ、設備の有り様 などなど‥
募集する管理会社も、こういった部分の評価で広告し賃料設定します。
ところが
まったく思いもよらない尺度で お部屋を探す方々も存在しました。
コンクリート打放しの部屋に住みたい、メゾネットであることが条件、
とにかくカッコいい部屋に住みたい、 などなど‥
もちろん かなりのレア・ケースではあるのですが、確実に存在する
ニーズであり、かつ あまり価格競争にもさらされない。
供給する側もこのニーズに気つかず、かりに気づいても、有効に広告
する手段すらなかったところに現れたのが インターネット でした。
『デザイナーズ・マンション』 といったマーケットは
こうして生まれた、いや詳らかになった というところでしょう。
先日 興味深い記事を ネットのニュースで見かけました。
大手下着メーカーの隠れたヒット商品 『バストを小さくみせるブラ』
(おとこの私には、想像だに できませんでしたが…。)
こんな需要があるかや?と思いきや、市場規模としては全体の約一割
でも、確実に存在するニーズだそうで、ネットや口コミで広がったと。
たしかに、大金使ったTVCMでは、広告の効率もわるいのでしょう。
なにか『デザイナーズ・マンション』 のニーズ と 似てませんか?
2006年に話題となった書籍『ウェブ進化論』(著者:梅田望夫 氏)
ここに ロングテール現象 という言葉がでてきます。
売れ行きのいいものから順番に 左側から並べた棒グラフの有り様を
恐竜の長いしっぽ(ロングテール)になぞらえた表現です。
恐竜の頭のほうの売れ筋ベストセラーを販売し、恐竜のしっぽの方の
利益率のわるい専門書をカバーする、といった発想がIT革命以前です。
IT革命によって
たとえ、しっぽの方の専門書であっても 充分 商売が成立するよう
になった、ということですね。
賃貸集合住宅の物件
マーケットを全く意識しない、独りよがりな作品はいけませんが
ニーズをとらえているのであれば、デザイナーズ‥ にかぎらずも
もっと 個性的な商品があっていいのかもしれません。
豊かさ とは 選択肢の多さ だと考えます。