2013年6月19日水曜日

建築写真のこと。


テナントさんの入居までに時間がとれる。
竣工写真を 建築写真家・安川千秋先生に お願いした。

建築写真は 空と光もまた主役 といえるかもしれない。
梅雨時の空模様にタイミングをはかりながら、何度も現地まで
おもむいていただいた。手間を惜しまぬプロフェッショナルだ。

設計ご苦労されましたね。と、これまで何度となく掛けられた
言葉のあとに、東孝光氏の 塔の家 を8棟並べたようですね。
と 昭和の名住宅のひとつと例えられたのには、いささか恐縮。

建築写真。撮影機器はかわった。
シノゴ じゃなく EOS(35mmフィルム)で撮るなんぞは
アナログ時代には 邪道っぽかったところ、いまじゃふつーに
EOS(デジタル)だ。
EOSには対応する広角のシフト・レンズがあるので、そもそも
建築写真の撮影には向いている。私もアナログEOS派だった。
シャッターを切るのに ためらいがいらない。
こんな感じだけど、どお? と その場で確認ができる。
レタッチもO.K.
いいことづくめのはずなのに、寂しく感じるのは昭和のDNA。

雑誌メディアの中の 建築写真も変わった。
私が学生時代の頃、『新建築』など 建築専門誌に掲載される
建築写真には 家具や人物など 生活感は極力消されていた。
いまは、そのぎゃく。(のように感じる。)
生活感を写し込んだ住宅建築の写真は、自然でいい感じである。
ただ、いざ撮影となると
お住まいの方に、いささかご迷惑をお願いするのが気が引ける。

そんな よもやまばなしをしつつ
夕闇の撮影を終える。
やきあがりが、たのしみだ。