2019年7月17日水曜日

建築家マッチング・サイト 今昔


インターネットで SITEをはじめて立上げたのは1994年。
ネットデビュー 25周年 ということに気がつきました。

1994年当時はまだ、ネット環境の黎明期。検索エンジンもありませんでした。
自前のホームページを持っている設計事務所なども希な存在で、
ネット上の建築家を建主に紹介するという、いはゆる〝マッチング〟サイトの
存在は、それなりに必要であったと思います。

ただ本来 インターネットの 大きな効用とは
発信者と受信者とが(中間業者なしに)直接 出会える場 であるところです。

今日、大きく成長したネット環境の中、建築家マッチング・サイト がいまだ
必要とされるとすれば、〝情報のコンシェルジェ〟としての役割でしょう。

例えば大きな総合病院では、症状や主訴に応じて まず案内をしてくれます。
  あなたは 循環器系の先生がいいですね‥
  この傷は 整形外科の先生に診てもらった方がよいでしょう‥
  まず、この専門の検査を受けられた方が よいでしょう‥  などとですね。 

住宅を建てるということも 治療と同じ。みな症状(条件や希望)が違います。
 都心の狭小地なのか雄大な自然の中なのか… 別荘なのか二世代住宅なのか…。
 生活の中で大切なものは何か…、はたまた事業として収益性を求めるのか…。
クライアントの条件や希望に合わせた、的確なガイダンスが必要なはずですが
いまだ、そこが上手くいっていないように感じています。

これは、実際に情報を発信する建築家側の課題でもあります。
作品の出来栄えを競い合うのではなく、自身の専門性や哲学を示さないことには
見つける側は、はっきりと門戸を叩くことができません。

そして、建築家とクライアント
最も大切なものは、お互いの信頼関係 です。
信頼関係をつくるためには、実際に会って 話し合ってみること。
ネットも情報も、あくまで出会いのための TOOL に過ぎないこと。
そこは 忘れないでいたいですね。