2017年9月17日日曜日

『関ヶ原』

関ヶ原の戦いがあったのは旧暦で 9月15日 とのことで。
原田眞人監督の『関ヶ原』を観ました。
『クライマーズ・ハイ』を観て以来の、原田監督作品のファンであります。
‥『クライマーズ~』は、1985年の日航機墜落事故を題材の横山秀夫原作作品
出てくる登場人物の殆どのキャラを立たせた巧みな演出に感動するだけじゃなく、
堺雅人、尾野真千子、(今回は秀吉役の)滝藤賢一といった、若手俳優さん達が
ブレイクした作品でもありました。 佳作です。おすすめ。

『関ヶ原』も、司馬遼太郎原作ということで期待もありましたが‥ 正直、残念。
やはり、いっぱい出てくる武将それぞれのキャラを立たせているところは流石で
興行的にも成功しているようですが‥、私的には イマイチ感で もやもや。

では そもそも なにがイマイチ感なのか‥。

1. 何をテーマにしているのか イマイチわからない。
関ヶ原の戦いは、ダレとダレが戦って ダレがどんな立居振舞いをしたのか‥。
学校の教科書からTVのドラマから、日本人ならだいたいみんな知っています。
それを丁寧に舐めただけでは、伝わるものは少ない。
原田監督の思い入れが、よくない方に向いちゃったように思います。

2. 有村架純ちゃんの とってつけた感が 半端ない。
女忍者がこの時代に活躍していたのかもしれないが、物語と絡んでいない。
旬で勢いのある若手女優さん 出さないと観てくれないんじゃないか、という
なんらかの力学が働いたのでしょうか。
だったら、架純ちゃん目線の一人称の語口でも面白かったかも‥。

3. 合戦シーンに もやもや‥。
合戦シーンは迫力があってよかった。
きっと たくさんの方々が本当に尽力されたことだと思います。 が。
やはり日本人である以上 黒澤明 という名がどしても よぎってしまいます。
『乱』 『影武者』 『七人の侍』 ‥
かけた予算も時間も違うでしょうから、あんに比べるのは失礼とは思いますが
見劣りしてしまうことも確か。
人間ドラマの方に、より重点を置いてもよかったかも。

作った方々には失礼ながら、自腹の入場料分だけ不満を述べました。
それでも、お釣りは充分あり。ご覧の価値は ありますぞよ。 大一大万大吉。