戦後70年の節目。終戦の日も近い。
細切れで取っている夏季休暇。ロードショウや録りためたBSの放送など
ここのところ、先の戦争を題材にした映画を、たて続けに観ています。
その中。気になった2作品です。
『日本のいちばん長い日』 監督:原田眞人
主にお年を召した方々ではありましたが、ロードショウは満席でした。
原田眞人監督は、やはり30年の節目となった日航機墜落事故を題材とした
『クライマーズ・ハイ』がじつに秀作であり、チェックしてた監督さんです。
『クライマーズ~』は、とある地方新聞社の組織の中で記事発信に奮闘する
記者が主人公。大勢の登場人物の立ち位置やキャラ、主張を丹念に表現する
演出は、この『日本のいちばん長い日』でも同様に、じつに巧みでした。
『日本の~』では、主に当時の陸軍大臣・阿南(役所広司)の視点です。
戦争遂行強硬派のイメージが強い阿南大臣ですが、決起を目論む若手将校達
を抑えこむのに苦心する、家族想いの優しい父親として描かれています。
血気多感な若手将校達もしかり。現代にも通じる、ごく普通の人々です。
戦争の狂気、不条理。
『終戦のエンペラー(原題:Emperor)』 監督:ピーター・ウェーバー
iTunesの100円レンタル・オススメ映画だったので、DLして観てみました。
終戦直後、マッカーサー元帥率いるGHQが日本を統治。
天皇の戦争責任の是非を10日間でレポートするよう指令を受けた准将は
かつて、日本人女性と激しい恋に落ちていた。彼女も探す主人公の准将‥。
マッカーサーやGHQという組織内の、野心や思惑もチクリと描かれていて
重厚感がある。〝彼女〟を演じた初音映莉子は、けなげで芯の強い昭和の
女性を熱演。ただ、名優トミー・リー・ジョーンズが、マッカーサー元帥
ではなく、缶コーヒーを飲んでいる宇宙人に見えてしまうのだけが残念‥。
日本人の視点で描かれた終戦前夜の日本
米国人の視点で描かれた終戦直後の日本
じつは、この2作品。
制作者同士が申し合わせたかのごとく 内容が見事にシンクロしています。
硫黄島の戦いを 日米双方の視点で描いた クリント・イーストウッドの
作品のようにです。(ここではネタバレにもなるので、どうぞ、ご覧を。)
終戦に想いを馳せました。