2017年4月4日火曜日

建築物省エネ法による規制措置の施行

この新年度より
建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)が施行されました。
先月末には規制措置の施行にあたり、所管の国土交通省から直々のお達しが届きました。
(‥きっと、建築士事務所登録している事業所には、すべて届いているのでしょう。)

これまでの建築物の省エネ基準は
経済産業省所管の いはゆる省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)での
ひとつの項目として扱われてれたところ、別の法律として独立させたわけですから、
法体系そのものの変更という、かなりドラスティックな改変ということでしょう。

この建築物省エネ法では
一定規模の建物は、所定の省エネ基準をクリアした省エネ計画書を所管の行政庁に提出、
その適合判定書がなければ建築確認済証そのものがおりない、というフローのようです。

その一定規模の建物 となる 300m2以上の建築物(住宅・非住宅)の新築・増改築。
都市部で集合住宅の設計・監理の計画が多い当方にとっては、実に現実的な問題です。

現に いま計画進行中の集合住宅 が この規制措置にバッチリ当たっています。

さっそく 省エネ計画書を作成していただくサポート事務所にて打ち合わせです。
温熱環境の計算をクリアさせるべく、想定の断熱材仕様を 設定してもらいます。
構造計算をおこなうにあたり、柱や梁の仮定メンバーを設定する作業に 近いです。
はたして、提示された断熱材仕様に‥ え! 断熱材 こんなに厚いのが必要なの!?

計算回してもらっても、断熱材厚の軽減は期待できないんでしょう。きっと。
限られたスペースに住空間を実現させるのに、断熱材による1センチ2センチのロスは
計画では ボディーブローのように痛みが効いてきます。
私自身も、これまで培ってきたシビアな寸法感覚が崩れ落ちていくような気分です。

建築設計における自由度は、明らかに後退するでしょう。
それにともない、わるい意味での標準化が進むことになるかもしれません。
建設コストも上がります。少なくとも、断熱材や温熱計算は必要なわけですから。

ただ、それをさしおいても 省エネ基準が必要なことも重々承知しています。
地球環境のみならず、お年寄りも増えて(ゆくゆくはワタシも)健康管理の面でも
大切なこととなっていくでしょう。(特にこれは最近、私的にも痛感のこと。)

新しい時代に はいったということ。
順応していかなくては いけません。


(ムツカしい話になりました。お口直しにサクラの花を。)