ギャラリー間
伊東豊雄展『台中メトロポリタンオペラハウス』 に圧倒されました。
『エマージング・グリッド(生成するグリッド)』
なにかの生命体を思わせる、三次元状に広がるチューブの構造システム。
壁・天井・床といった概念を消し去って、まるで洞窟のような空間です。
この構造システムを思いつき、具現化しただけでもすごいところですが、
オペラ劇場(大小3ステージ)の複雑な機能を、絶妙に埋めこんでいる。
伏図で観ると、配置に全く無駄がない。見事、というより信じられない。
展示空間は、とかく 抽象的な表現でおわりそうなところ
コンペの当選案から実施案への変遷や、現場の作業の悪戦苦闘ぶりなど
リアル感が迫力があって、楽しい。
ドキュメント映像では
発注者である台中市の市長は、この建築を夢と例えています。
建築現場の所長は、なしとげた仕事を誇らしく語っています。
‥建築 ってすごい力があるんだなあ、と つくづく。
その建築力が、いま日本で、東京で期待されているのが、建替えられる
『新国立競技場』(ザハ・ハディド設計)と、いうことなのでしょうが、
その建替工事への反旗として、改修工事案を公表したのも伊東豊雄さん。
少し、あやも感じました。
当初のコンセプトを具現化できたという、幸福な建築 という側面も
このオペラハウスにはあるのかもしれません。