ギャラリー・間
移動の合間、久しぶりに乃木坂の『ギャラリー・間』にたちよってみる。
クリスチャン・ケレツという建築家に(失礼ながら)予備知識がない中、
模型で表現された空間構成の概念、その美しいフォルムに魅かれました。
『ある明確なルールに基づいて建築を規定すれば、いたって抽象的かつ
普遍的な方法で建物を思い描けるようになる。』(氏のコメントより)
建築の構成へは、そこへいきつまでのロジック(氏のいうルール)が大事。
その裏付けがあるからこそ、結果、美しく説得力のあるフォルムになる。
仕事では足元にもおよばないけど、氏の考え方には共感。
『そのルールがあれば、建築の法規や基準といった副次的な事柄にはいっ
さい惑わされずに、その向こうにあるはずの建築の意味が見えてくる。』
…ただ、ここには、ちょっと共感できない。
ロジック(氏のいうルール)を組み立てる上で、周囲の環境、法規や基準
といった、可能なかぎりのファクターは並べておくべきじゃないのかな‥。
上階の展示室には 中国・鄭州に計画された高層ビル の模型。
建築の内外部に、無造作(もちろん計算し尽くされた)に貫かれた構造体
のフォルムは、開放感と透明感があって美しい。
第1案 第2案 と ふたつの模型がある。
ルールは同じだが、第1案では消防法に抵触したので、やり直したのだと。
撮影許可をいただいた、館内スタッフの方に教えていただいたところだと、
構造体がじゃまで、消防車が建物に近づけないことがわかったのだと‥。
ちょっと コントっぽい。
緻密な作業のうえでの、思わぬ落とし穴。
私も気を引き締めないと。