2016年12月31日土曜日

仕事おさめ

2016 おしまいにweb-siteの更新。
先日、引渡しを終えた FLAT SETTE のページを加える。
最後に 年を締めくくるにふさわしく 夕暮れの情景を。
多摩川河口からのぞむ 黄昏の富士

みなさま よいお年を。


2016年12月21日水曜日

22坪の敷地に実現できる高層型集合住宅計画



横浜市内・主要駅近くの大きな交差点。
22坪弱の角地に企画中の、高層集合住宅の計画案。
高度地区の高さ制限から10階建とし、計14戸の住居を計画。
横浜市の『ワンルーム形式集合住宅に関する指導基準』では
ワンルーム形式の住居(30m2以下)10戸以上が規制対象。
そこで、30m2以下の住居は1~5階までの9戸としておく。
ただ、これらの住居も将来のニーズに合わせ
2部屋を合わせた部屋にもできるよう、あらかじめ計画しておく。

プランを参考にされたい方は、当方までご連絡を。



奉献酒と地鎮祭


日本中が、一時的にクリスチャンに改宗することになる、その前日。
神道にのっとった 地鎮祭 を急きょ 執りおこなうことになりました。
杖をついた白髪の土地の神様は実際におられるのか、否かはべつとして、
仕事を始めるにあたって、身を引き締めるための行ないは必要でしょう。

新築する集合住宅は、先日完成した FLAT SETTE とは〝兄弟〟の関係。
ひとつのシリーズ化した集合住宅群を形成していければ、と期待します。

昭和の匂いが残る 昔ながらの酒屋さんで 奉献酒を用意します。
奉献 の のし紙の文字は、墨で筆書きでなくてはいけません。
この辺じゃ今年も次々と酒屋さん、やめちゃってね‥。
達筆をはしらせながら女将さんが嘆きます。
残っていってほしい風景です。
ウチじゃあ、地鎮祭なんか ほとんど やりませんよ。意味ないッスよ。
下請けとして扱う建築家のデザインをウリにした、年間400棟もの建売
住宅を建設するある業者の営業マンのセリフを ふっと思い出しました。
どうか、バチが当たりますように‥。



2016年12月9日金曜日

イルミネーション

先週末の内覧会には、床材メーカーのT氏も来られました。
(ご案内していなかったのに、恐縮でした。)
聞けば、今週、ショールームで弦楽四重奏を聞くパーティーがあるんでどお?…とお誘いを受け、南青山のショールームへと。はたして素敵な音楽とワインを堪能させていただきました。
街中はすっかりクリスマス気分一色。
せっかくだからと歩いた艶やかな表参道の一人帰り道、遠い日の想い出がよぎりました。
表参道ヒルズもアップル・ストアもなかった頃。
私も、少しは大人になれている。かな。


竣工写真と写真家


先週末の FLAT SETTE 内覧会には、10組ほどの方々にご来場いただきました。
皆さんとじっくり話を交わすことができて、穏やかで楽しいひと時でありました。
ありがとうございました。

内覧会の時刻に前後して、竣工写真の撮影を行いました。
私も、幾人か建築写真家の方々に仕事をお願いしてきましたが、今回は建主の方から依頼された初めての方。それでも眼力は鋭く、初めて見たはずの建物でも撮影ポイントは的確。
え!そこのディテール狙うんですが‥と、思わず唸ってしまう所もありました。

私も多少の心得はあるつもりですが、やはり 餅は餅屋。技術ではかないません。
でも、それでもやっぱり、当の設計者でしか追わない視点もありますが‥。



2016年11月29日火曜日

多摩川河口 ベンチのある情景

古びたベンチがあるだけで、佇まいを感じます。
誰もいないはずなのに。
この情景は Instagramではなく BLOGにて。

2016年11月26日土曜日

狭小集合住宅・完成内覧会:12月4日

当方で設計・監理を担当しました集合住宅・FLAT SETTE(HN1-Project改め)が完成し、内覧会を開催するはこびとなりました。厳しい接道条件の狭小地(約19坪)に、ロフトを内包した4住居(1R)の重層長屋です。ご興味の方には、お気軽にお越しください。

開催日時:12月4日(日)A.M.11:00〜P.M.5:00
建設場所:東京都大田区萩中1丁目1-10
 ※七辻(日本一のゆずり合いの交差点)のほど近くです。
アクセス:京急蒲田駅・糀谷駅 各 徒歩約8分
主要用途:重層長屋 4戸
敷地面積:64.78平方メートル(19.60坪)
建築面積:40.87平方メートル(12.36坪)
延床面積:81.74平方メートル(24.72坪)※法定延床面積
構造規模:木造(SE構法) 
工事施工:株式会社 伊藤工務店
設計監理:SOCIUS一級建築士事務所 岩間隆司

また、当建物は賃貸物件としてテナントさんも募集中です。入居ご希望の方にも、ぜひどうぞ。4室共、ほどなく入居可能の予定です。


2016年11月20日日曜日

空家、民泊、地域活性、そして分散型宿泊施設。

先週のはじめ、建築家仲間から招待されたパーティーは
イタリアのサルディニャ地方の『アルベルゴ・ディフーゾ』の報告会。
場所は台東区谷中。木造アパートを改装した HAGISO という施設。
ワインと料理でスライドを楽しむ、気さくな会でありました。

アルベルゴ(Albergo)は イタリア語でホテルのこと
ディフィーゾ(Diffuso)は 分散・拡散の意味とのこと
つまり『アルベルゴ・ディフーゾ』とは『分散型ホテル』となります。
私も興味を持ち 少し勉強してみました。

アルベルゴ・ディフーゾは、過疎化高齢化が進みつつある地方集落で
観光によるまちづくりの一環として、発生したシスムテムです。
集落全体をホテルと想定し、滞在施設や受付部分は分散し存在します。
もちろん、施設は空家や使われていない既存の建物を利用するのです。
訪問者(ツーリスト)は、集落の観光客であり住民でもある、という
二面性を持つことになります。

すでに『アルベルゴ・ディフーゾ協会』も存在し、イタリアのみならず
近隣の欧州諸国にも展開しつつあるとのこと。

そして、日本で初めてこの協会に認定されたアルベルゴ・ディフーゾ
が この『HAGISO』と 別館の『Hanare』 だそうです。
HAGISOには 受付やレセプション、レストランなどの施設。
少し離れた場所にある宿泊施設のHanareも、古い木造アパートを改修
してできた建物です。

面白い試みですが、このアルベルゴ・ディフーゾが成立する大前提は、
その地域そのものが、住民や訪問者にとって魅力のある町である必要
がある、ということに気がつきます。

たしかに、この 谷中 という町はとても素敵です。
上野の森から東京芸術大学へとつづくアカデミックな雰囲気のさきに、
手を加えられ、佇まいを残しながらも再生された古い家屋もちらほら。
多くの寺や墓地は都市の喧騒から隔離され、時折墓守の猫が迎えます。

これからの建築家は、『場』を作ることが仕事になるな‥。
パーティーの帰りがけ
仲間内で立ち寄った居酒屋での、そんな会話が何気にひびきました。



2016年10月26日水曜日

FLAT_SETTE

設計・設計監理を行ってきました木造集合住宅 HN1-Project
ようやく来月には竣工、完成時には内覧会を行う予定です。

建主に決めていただいた建物名は FLAT_SETTE
SETTE は数字の7の意味だそうです。

建物のすぐ近くには 七辻 という七差路の交差点があります。
信号機はありません、それでいて事故が起きそうもありません。
『日本一のゆずり合いの交差点』 ということなのだそうで
ご興味の方は 検索してみてください。

2016年10月25日火曜日

iPhone7

iPhone を 6から7+ へ機種変更する。
データ移行とカスタマイズに半日掛ける。
旧機種6を下取りに出すのには、初期化する前に iPhoneを探す というのをオフにする
必要があるのだそうで(そういえばiPadの時も、お店の人がやってくれてたな‥。)
自分でトライしてみると‥
うぁ! やってもうた。
新機種7+ の方を遠隔でデフォルトしてしうドジ。うっ!も、もしや
他のデバイス(Mac Book、iMac)もパーにしたのでは… 凍りつくも、そこはセーフ。
胸をなでおろしつつ、慣れないことは もうやってもらうことにしよう。

7+ にしたのは、なんといっても Suica が使えるため。
20年来のMacユーザーの私が2年前までAndroidでいたのは モバイルSuica のため。
今日の日を楽しみにしていたのに、Suicaの登録全くできず。
アクセス集中で、ということのようで、またまたストレスだ。


便利 ってなんなんだ。




2016年7月25日月曜日

ル・コルビュジエの集合住宅

世界文化遺産に登録された 建築家『ル・コルビュジエ』の建築作品群。
上野の国立西洋美術館だけではありません。
南フランスの港町マルセイユにある、ユニテ・ダビタシオンもその一つ。
現代での集合住宅の原型と言われるこの建築は、ひとつの船に例えられ
スーパーマーケットから保育園まで内包され、住民は建物から一歩も外
へ出なくても生活が成り立つことを目指し、建設されました。
ホテルやレストランもあります。
実際に泊まってみたのは、もう28年も前の、今の時期でした。

名建築と誉の高いユニテですが。
正直、27歳の私には全く逆の印象がありました。

近代建築5原則のひとつ、ピロティーは高速道路高架下のような殺風景。
‥ちなみに、ベルリンのユニテでは駐車場で使用されてました。
来館者も住人も皆一緒で、セキュリティーという概念がない動線計画。
‥エントランには、屈強なガードマンが立っていました。
共用部の中廊下は、光も風も通さず、モデュロールで決められた天井高さ
(約2.1M)の圧迫感。‥ などなど。

ただ、今だから見える、こう言った技術的問題点を差し引いたとしても
この建築は素晴らしい。生活や社会への、大きな提言でもありました。

現在
この ユニテ・ダビタシオン の構造を参考にした
メゾネット形式の集合住宅の計画を企画・提案中。
僭越な オマージュ でもあります。


リア充に『建築ハンター』・ゲットだぜ。

『ポケモンG0』をDL。
イイ年した大のオトナがやってみるも、正直すぐに飽きてしまった。
Google の Ingress に似てるところは、やはりシステムには関連が
あるようですが、この  Ingress も 全然楽しめなかった。
そもそも、こういったゲームの類。私は全然ダメ。
無理して付いて行こうとするのは やめましょう。

運転免許証の更新で鴻巣市の免許センターへ。
申請手続の長い行列の隣の若者も、一心不乱に『ポケモンG0』
こんなトコでもやるんかい。いるんかい‥。

免許センターの隣の 『鴻巣市文化センター』 
見れば、かっこいい 秀作の建築です。
前面の公園と一体となった配置と動線。
シースルーに見える全体シルエットは、既製品のグレーティング
を張り巡らせているだけ。
(正確には、既製品とはリブの方向が縦横逆なので、メーカーに
細工してもらってますが、これだけ大量だとほぼ既製品でしょう。)
金物関係も、この既製品に合わせて 溶融亜鉛メッキで終えてる。

コストを掛けずに、いいものを作る。これぞデザインかな。


2016年7月5日火曜日

インテリアのデザイン




新装された2件の内装デザインを見学させていただいた
ひとつは 仲間の若い建築家によるオシャレな飲食店舗
立ち飲みの店舗でありながら、お料理も絶品。

もう1件は 賃貸住宅の一室。
お金は、さほど掛かっていない。
なのに、ぬくもりと佇まいを感じさせる 素材の妙。



土台敷から上棟

現在工事進行中 木造集合住宅  HN1-Project
先週は、外部足場 土台敷込みから建方、上棟へと
瞬く間に 建物の概要がわかるくらいの状況です。 

躯体工事に関しては
プレカット図面を完璧に チェックしておきました。
進捗状況を確認していくのみで済んでいます。

本来、設計監理とはそうあるべきなのですね。



2016年6月22日水曜日

SOHO改装工事 作業2日目



101号室 メゾネットの収納階段。キレイに撤去できている。
( 無くなってみると、寂しさがありますが。)

そこに 新たに階段と手摺を設置し直す工事です。
階段はチェッカープレート 手摺はFB の溶融亜鉛メッキのどぶ漬け。
片持ちの踏面は 既存のRC打放しの壁からアンカーを揉んで設置する。
ホールイン・アンカーではなく、ケミカル・アンカーを用意してくれた。
(鎌建工業さん、ありがとう。)
16mmのアンカー3本。ナットは2重に、端部は袋ナット締め。
シャープな雰囲気にできるか、否や‥。 明日 またご報告。

2016年6月20日月曜日

SOHO改装工事

完成してから今まで18年の間、全3部屋は、ほぼ空室のない状況です。
テナントのみなさんには、この建築に好意を持って使ってもらっていて
私としては嬉しいかぎりです。

ことに メゾネット形式の101号室では
新しいテナントさんが入居のたび、各自で嗜好を凝らした改装工事を
施してます。DIYで間仕切りを造ったり、浴槽や湯沸器を設置したり、
吸音性の高いカーペット敷いて音楽スタジオにしちゃったり‥。
私も 特に退去時の現状回復などは気にせず、
テナントさんの好きなようにしてもらってます。
(改装した部分は、退去時には、そのまま存置していく旨の約束です。)

この4月から入居の 新テナントさん。
ITの企業ですが、これまでにない大規模な改装工事をおこないます。
既存の手摺や収納階段も撤去して、新たに鉄骨階段を設置し直します。
私も、設計者として計画工事の発注で、お手伝いさせていただきます。

主な工事は 今週中。 私自身も改装後が楽しみです。






2016年6月18日土曜日

地盤と基礎工事のこと つづき


現在工事進行中 木造集合住宅 HN1-Project
新築に先立つ既存建物の解体で、地中から大量のガラが出てきていました。
地盤調査(SS方式)では必要とされる積載荷重はクリアできても、地盤の
補強工事は施そうということで、その後の進捗状況を整理しておきます。

解体した既存建物の基礎を撤去しても、この計画で設定される根伐底盤は
も少し深いレベルです。スミ出しとレベルを確認し、さらに根伐を進めると
案の定、また大きな埋設物。前の、その前にあった建物の基礎でしょう、
なんとか撤去し、根伐底盤を確保です。

根伐底盤に砕石を敷きます。厚さ50mm。

地盤補強シートを敷きます。縦方向・横方向と敷く方向を変えて二重にです。
この補強シート、引っ張られる力にはめっぽう強い。地盤に均等に建物荷重
が掛かることを助けるわけです。大型重機が搬入できない現場での対応です。

再び砕石を敷きます。厚さ100mm。
(補強シート分がありますので、現実には少し薄くなります。)

防水シートを敷き、その上に捨てコンクリート打設。スミを出します。
あらかじめ出してあったものを落とし込み、敷地との位置関係を再確認。O.K.

耐圧版と基礎の配筋。
瑕疵担保保険会社の担当者と一緒に配筋検査も完了です。


あとは基礎のコンクリート打設。
そして月末の上棟へと、現場の仕事は続きます。


2016年6月17日金曜日

「空き家問題」に関して

先日
マンションサプリというサイトの方から「空き家問題」に
関して、ということで取材を受けました。
内容は、インタビュー記事として 前編後編 と別れて
掲載されておりますので、ご覧ください。

2016年5月16日月曜日

蜷川幸雄さんの舞台


演劇と映画では、圧倒的に映画派の私は、あまり舞台は観てきていないのですが
蜷川幸雄さん演出の舞台は、何作品か観たことがあります。
中では、村上春樹原作の『海辺のカフカ』は、田中裕子さんVerと宮沢りえVer、
氏にとっては縁の地という彩の国さいたま劇場にて、2回続けて観てきました。

舞台の演出は、映画以上に制約があります。
ステージの広さ、セットや小道具は限られ、なんて言っても ライブ ですから
やり直しきかないわけです。くわえて『海辺のカフカ』は、ロードムービーです。
どんな演出なのかと思いきや、透明なショーケースに登場人物を入れてグルグル
行き来させ、幻想的な世界観をつくり出すことに成功しています。
これなら、劇中セットの使い回しもできる。
興業として、コスト・コントロールにもつながるではないか‥。

妙なところに感心しつつ、観劇の素晴らしさを叩きつけられました。
合掌。

2016年5月8日日曜日

風、水、太陽


キラー通りと246との交差点。あの『ベルコモンズ』が現在、解体工事中とは。
どんな事情か。設計の黒川記章氏も、草葉の陰でさぞやお悔しいことでしょう。
かたや、都内の新商業施設。
有楽町、数寄屋橋交差点にオープンした『東急プラザ銀座』は実に華やかです。
和と黒のモチーフが、銀座の施設らしい高級感をかもし出しています。

建築を造る、造り続けるということは、経済活動のサイクルの中にあります。
規模の大小はあれど、私自身もそのサイクルの中で建築を造ってるわけですが
そこにピシャリと冷水浴びせられるような 志 に溢れた建築でした。

ギャラリー間 『三分一博志 展 風、水、太陽
氏は、水や空気といった「動く素材」に目を向けています。

コメントを一部 そのまま転用させていただきたい。
風の向き、水の流れ、太陽と月、そして地形の恵みによって、
その地域ならではの豊かな固有の文化が育まれてきました。
それらをただ建築を通して後世に繋ぐことこそ、
この時代を生きる私の役目なのではないかと考えています。
支配やコントロールではなく、受け止め共存する。と言うことか。


2016年5月5日木曜日

カロリー消費とサイクリング



仕事のかたわらの、もひとつの日課が サイクリング。
事務所の近くの多摩川河川敷にもサイクリングコースがありますが
連休中こもっている こちらの仕事場の近くには 入間川の河川敷。
ここのコースも 気持ちがよい。

自転車に乗ると風景が変わる。
誰と競うわけでもなく自由気ままに行動できて、お金もかからない。
ダイエットにもなる。
特定健診でチェックが入りそうだったBMI値を 少しは減らそう。
ビールも減らそう。(できれば。)

2016年5月4日水曜日

『猫』と『映画』と

巷は空前の猫ブームだそうだそうで、TVやネットでは猫だらけで、
タレントのように扱われている猫たちもいるそうな。

実は うちにも 一匹。いや、ひとり。
猫は犬とは違い、人間との主従関係という意識がない。
飼われている。というのではなく、共存しているのだ。


この連休中は
もっぱら仕事のかたわら、息抜きは映画でとレンタルビデオ店の棚から
思わず手に取ったのが 『先生と迷い猫』

自然や街並みの風景が美しく、猫の捉え方もとても自然で癒やされるが
ブラックな暗示もされている。受け止め方は、いろいろあろうところ。
ただ、作品としては あまり印象に残らなかったな。


『レンタネコ』は かもめ食堂の荻上直子監督の作品だが、猫の習性を
少しでも知っている者には、猫の演技(?)は かなり不自然な印象だ。
それでも、単純な癒し系映画と思えば、楽しめなくもない。


今月は
昨年小説が話題になった『世界から猫が消えたのなら』が公開とのこと。
原作の小説は、とても良かった。多くの場面は、まさに映像として思い
浮かぶような作品。その原作者は映画プロデューサーの川村元気氏。
すでに、映画化までのプロセスを念頭に 書かれていたのであろうか‥。
あざとい 人間の思惑があったとすれば、猫には見透かされますぞよ。

2016年5月3日火曜日

木造集合住宅の軸組確認


工事進行中 木造集合住宅 HN1-Project
SE構法のNDN社より上がってきた、プレカット用伏図・軸組の確認作業。
こちらで想定している構架材間の一寸(30mm)寸法アップも許されない
(‥でないと、設備関係の納まりがアウト。)
それくらいタイトなディテールで計画されています。

狭小集合住宅ゆえ高架も複雑なため、透視図でも出力してもらった。
NDN社は専用ソフトに始めから3Dデータで入力してるため、モデリングは
それほど手間ではないことは知っていました。
確かにわかりやすい。チェックミスは防げそうだ。

2016年4月21日木曜日

地盤と基礎工事のこと


熊本県地方で大きな地震が続き、建物の倒壊現場の映像を報道で目にします。
あるいは昨年末に発覚した杭工事の偽装問題から、建物が建つ地盤への関心
は、一般の方々にも持っていただけるようになったことでしょう。

今月 地鎮祭を終えている HN1-Project
地鎮祭に先立ち、既存の建物を解体したさい、地中から、瓦やレンガ辺など
大量のガラが搬出されました。おそらく、この建物の新築で土工事するさい、
この時とばかり、廃棄物を埋め込まれたのでしょう。大量でスキ取れません。

SS(スウェーデン式サウンディング)による地質調査は 敷地内4点で実施。
基準としていた長期許容支持力(30kN/m2)に1点が足りていません。
明らかに、このガラや埋め土の影響です。
それでも、測定4点をおしなべると25kN/m2は確保できているということで
このまま基礎工事を行っても、(工務店が加入義務づけされた)瑕疵担保保険
の加入には問題なく、SE構法の構造設計をお願いしているNDN社のお墨付き
もえられることはできました。

ただ、本当にそれでよいのだろうか。
基礎はベタ基礎で設計しているため、たしかに建物の長期荷重はおしなべて
支持地盤に伝わります。ただ、力は弱い点に集中して伝わる特性もあります。
日頃、構造設計をお願いしている構造設計一級建築士A氏に電話してみます。
この計画は、彼女の構造設計ではないのですが、相談に乗ってもらいました。

結果。何らかの地盤補強工事は必要だろう。というのが、私たちの結論。
追加で負担の掛かる建主の方々にも、ご理解以上の賛成をしてもらえました。
厳しい接道条件と狭い敷地でどういった補強工事が可能か。検討しています。

さて
このように地盤改良工事が必要と考えられても、そんなものは必要ない。と
報告書を上げてきて、何らかの保証もしてくれる、という会社があります。
彼らは セカンドオピニオン と称しているようですが、無責任な話です。
責任が発生するのは、建築確認の工事監理者の欄に名前が記載されている者、
つまり、設計監理を行っている我々、建築士有資格者である建築家です。
昨年末の杭工事の偽装問題における国交省の指導やお達しにも、そのへんの
“交通整理” ができてないんじゃないのかと、思えています。
責任あるセカンドオピニオンを述べたいなら、建築確認の工事監理者の欄に
追記してもらうべきでしょう。建主に変更申請出してもらえば、簡単なこと。
もちろん、建築士有資格者であることは 言わずもがな ですが。