2014年10月14日火曜日

映画の一部となる建築

台風の影響もあって、先週末の連休は、BSでも映画を観ていました。

渡辺謙さん出演『明日の記憶』 はじめてラストシーンまで観て知ったのですが、
若年性アルツハイマー病の主人公(渡辺謙)が自ら訪れる療養施設という設定で
安曇野の『ちひろ美術館』(設計:内藤廣) が 使われていました。 

私も一度、訪れたことがあります。
背後の北アルプスの尾根と形状を同じくし、自然の風景と溶け込む静かな佇まい。
単に絵(いわさきちひろ)を鑑賞する美術館というより、ゆったり時間を過ごす
設えが施設の随所にあり、この映画の、この設定にピッタリだ。と感心しました。

映画の中で 印象に残る役回りの建築 というのは他にもいろいろあります。

伊丹十三監督の 『マルサの女2』では
大胆にも『ヤマトインターナショナル』(設計:原広司)が国税局の建物として
登場します。普段目にできない内部でロケもされていて、そこだけでも興味深い。

名匠リドリー・スコット監督 松田優作の遺作となった『ブラックレイン』では
かつて道頓堀の戎橋の袂に君臨していた『キリン・プラザ』(設計:高松伸)が
なにわのブレードランナーよろしく、近未来感満載に輝いていました。

こういった いはゆる名建築 と言われるものではないにしろ
建築空間は 作品としての映画表現の 重要なファクターになることが多いです。


先日 このコラムにupしました 『ふしぎな岬の物語』
(大変に申し訳ないのですが‥)ほんとーに つまらない作品でした。
舞台となる主人公(吉永小百合さん)の喫茶店は、せっかく風光明媚な岬の突端
にありながら、薄暗い室内に丸見えの厨房。海を眺めることもできないようです。
少なくとも、村の人々がコーヒー1杯目当てに集ってくるとはとても思えません。

たとえば、この喫茶店が
天井の高い、普段は燦々としたオープンテラスのお店
掃き出し窓を開けると、バルコニーの突端は海と一体‥
そんな お店だったらどうでしょうか‥?
物語のキーとなる虹の絵は、海に背を向けて掛けられていて、ある席に座ると
背後の風景と重なり合うのです。その席が、亡きご主人の特等席‥。

なあんて設定だったら どうでしょうかね‥?

この映画、ひとつ ご覧になってみてください。

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