2014年9月30日火曜日

木造耐火建築物の住宅・現場見学

SOCIUSが計画する住宅や集合住宅の、工事発注予定の工務店さんには
かならず前もって、他の施工中の現場を見せてもらうことにしています。
施工中の現場を見れば、施工精度がだいたい想定できます。

有名建築家の物件を多く手がけることをウリにする、とある工務店では
監督が、電話で親方にハッパをかけています。職人を入れろということ。
一見、熱血漢でカッコいいのですが、ようは自身の段取りが悪いのです。
施工精度も推して知るべし。私は、ふれこみで工務店を判断しません。

耐火建築物とした、小規模の3階建木造住宅の現場。
工事部長と現場の監督が、丁寧に案内してくれます。恐縮です。
きちんと大臣認定の木造耐火仕様で出来ているか、の確認も必要と思い
上棟後、仕上げ工事が入る前にとリクエストしておりました。

床のPB(21mm2重)を敷く前に、大工さん達はしきりに清掃してる。
定型に細かく加工されたPBが、整然と積まれている。階段用とのこと。
整理整頓がいい。施工精度ばかりか、これなら事故も起きにくい。
(‥ウチの事務所も見習わなくては。)

木造耐火建築物にするための、各部位の認定構法は、かなり複雑。
外壁でいえば( 基本的な納まりですが。)
柱から 外側に向かって
構造用合板_通気層(胴縁)_ALC版(35mm)_サイディング(15mm)
で、かなりの壁厚になりますが、ではそれにサッシをどう納めるのか‥。
部長、監督と議論になります。

内部の壁、床、天井も、(基本的に)PB(21mm)のダブル張りです。
天井は
梁の下端に野縁を一本流してPB か、梁の下端に直接PB か。
前者は天井高さを(野縁ぶん)いじめることになるのですが、施工は楽。
天井の電気配線(Fケーブル・CD管)も、梁にスリーブを開けずに可能。
いずれにしても、室内と外壁では梁寸法が違う。配線が壁に落ちない‥。
耐火仕様の壁内配線は、壁面のスイッチ・コンセントの位置に影響する。
これは始めから、このことを意識しておかないと いけない。

‥なにやら 部長、監督がキョトン としてる。
まだ基本設計の段階から、ここまで考えてる建築家は、はじめてだと。
じゃあ、現場がはじまってからどうすんのよ。困るのは現場でしょう。

現場で、私は 煙たがられてるのか、有り難くおもわれてるのか‥。
気にせず、自分の仕事をするとします。